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NEC、基本性能を強化した2Uラック型ファクトリコンピュータを発売

画像・映像をはじめとした大量データのリアルタイム処理を支援

 日本電気株式会社(以下、NEC)は30日、製品や部品の長期供給・保守が可能なファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」の2Uラックマウント型において、CPU、メモリ、ストレージなどを強化した新製品「FC-R03W」「FC-R03T」を販売開始すると発表した。Linuxモデルの出荷を11月28日より開始する予定。

新製品のうち、上位機の「FC-R03W」

 「FC98-NXシリーズ」は、24時間連続稼働が求められる半導体・精密機械の製造装置・検査装置や、交通機関の運行管理システム、病院・医療機関におけるレセプト端末、ビル・公共施設の監視制御システムなど、さまざまな分野で利用されているファクトリコンピュータ。

 今回の新製品では、CPUやメモリ、ストレージなどが強化されており、まずCPUでは、上位機「FC-R03W」でサーバー向けCPUのXeon Gold 5418Y Processor(2.00GHz/24コア)、下位機「FC-R03T」ではXeon Silver 4410Y Processor(2.00GHz/12コア)を搭載した。

 メモリは新たにDDR5 SDRAMを採用し、最大搭載メモリ容量を2Wayモデルで512GB、1Wayモデルで256GBまで拡張できるようにするとともに、ストレージでもNVMe SSDを新規に採用。従来に比べてより大容量の、960GBと3.8TBのディスクドライブを用意した。

 こうした強化により、上位機では約1.3倍、下位機では約1.8倍の処理性能向上を実現。生産性や稼働率向上などに求められる、画像や映像をはじめとした大量データのリアルタイム処理に対応するという。

 また、長期供給・保守が可能なグラフィックスアクセラレータ「NVIDIA RTX A2000」のオプションも選択可能。各種監視システムや画像診断・検査システムなどの画像解析、ディープラーニングをはじめとするAI利用時に求められる高性能化に対応するとした。

 なお従来製品からは、奥行き531mmのコンパクトな筐体サイズや、固定ディスク・電源ユニット・空冷用ファンのホットスワップ対応による可用性、耐環境性(動作温度0~45℃、耐振動、耐ノイズなど)、高信頼設計(長期供給部材の選定、冗長電源、多彩なRAID構成など)などを継承しているとのこと。

 さらに、従来機種と同様に5年間の長期供給と、供給終了から最大10年間の保守受付にも対応。Support Packでは、装置納品を基点に15年間の保守サービスを提供することで、システムの長期安定運用を支援する。

 価格(税別)は、OS(Linux)、16GBメモリ、960GB SSD×2(RAID1)、冗長電源あり、DVD-ROM、拡張スロットなしといった標準構成時で、FC-R03Wが227万7400円から、FC-R03Tが182万1600円から。11月28日にはまずLinuxモデルの出荷を開始し、Windows Serverモデルは12月末より出荷開始する予定だ。