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NEC、エッジコンピュータ用途で利用可能な小型ファクトリコンピュータ「ファンレスボックスタイプ」

 日本電気株式会社(以下、NEC)は9日、ファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」の新たなカテゴリとして、過酷な現場環境での利用を可能とし、無線通信に対応した「ファンレスボックスタイプ」2機種を販売開始すると発表した。

 NECでは、24時間連続稼働に向けた信頼性と長期供給・長期保守により、社会インフラ・工場・物流施設における機器の運用管理を支えるファクトリコンピュータを提供しているが、近年はIoTデバイスの普及に伴って、エッジコンピュータとしての役割が重視されており、さまざまな設置環境への適応や、無線通信への対応によるデータ収集・処理の容易化が求められいるとのこと。

 今回の新製品では、ファンレス設計の採用などによって粉塵の侵入を抑制でき、IP5xの防塵性を備えたほか、従来の最小サイズだった「省スペースタイプ」と比べて体積を約1/2まで小型化しており、過酷な現場環境などでの利用に対応するという。

 また、無線LAN、3G/LTE、920MHz帯特定小電力無線の3種の無線通信モジュールをオプションで用意し、多様なIoTシステムのデバイスとの無線接続によって、遠隔監視・制御を行えるようにした。これらにより、設備機器への組み込み用途に加え、複数の設備・センサー・IoTデバイスから収集したデータを一時処理し、必要な情報だけを転送することによって、システム全体の負荷を低減するエッジコンピュータ用途として、現場の運用管理の効率化に貢献するとしている。

 搭載するCPUには、Celeron G4900T(2.9GHz、2コア)に加えて、より高性能なCore i3-9100TE(2.2GHz、4コア)を選択可能。画像をはじめとする大容量データの転送など、高負荷な処理にも対応できるとのこと。

 なお、省スペースながらも拡張スロット(PCI-e x16 1スロット)を備えており、オプションの増設LANボードやI/0拡張ボードなどを搭載可能。周辺機器や設備との連携に対応する。このほか、海外で利用する企業向けの海外認証モデルも提供予定とのことだ。

 価格は、Celeron G4900T搭載のA29Xが22万1000円(税別)から、Core i3-9100TE搭載のA22Kが25万1000円(税別)から。NECでは、製造・物流・交通・農業など、多様なIoTシステムのエッジコンピュータ用途として、今後5年間で2万台の提供を目指す。