ニュース

富士通、スパコンやデジタルアニーラなどの技術をクラウド型で提供する「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」国内提供開始

 富士通株式会社は25日、顧客との共創を加速するため、高度なコンピューティング技術とソフトウェア技術を誰もが容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(以下、CaaS)」を日本国内で提供開始するとともに、新たなグローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」を開始すると発表した。

 CaaSは、高度なコンピューティング技術とソフトウェア技術を使ったアプリケーションやサービスの開発・実行を、顧客と富士通が共同で実現するためのクラウドサービス群。

 シミュレーションやAI、組み合わせ最適化問題のアプリケーションを開発・実行するための「Fujitsu Computing as a Service HPC(以下、CaaS HPC)」や「Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer(以下、CaaS Digital Annealer)」を提供するクラウドサービスと、アプリケーションの特性に応じた最適な環境の選択や高速化などを支援する「Fujitsu Computing as a Service テクニカルコンサルティングサービス(以下、CaaS テクニカルコンサルティングサービス)」で構成される。

「CaaS」サービス全体イメージ

 CaaS HPCは、スーパーコンピューター「富岳」に採用されたテクノロジーをベースとした「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000(以下、PRIMEHPC FX1000)」や、Intelの高性能CPUを搭載したPCクラスタ、Intelの高性能CPUとNVIDIAのGPUを搭載したPCクラスタを、シミュレーションやAIのアプリケーションを開発、実行する環境として利用できる。

 CaaS Digital Annealerは、組み合わせ最適化問題を高速に求解する富士通の量子インスパイアード技術「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer(以下、デジタルアニーラ)」を利用できるサービス。膨大な組み合わせの中から、指定された条件を満たす一番良い組み合わせを選出し、配送計画や生産計画、創薬開発、材料探索など、さまざまな業務における組み合わせ最適化問題を高速に求解できる。

 CaaS テクニカルコンサルティングサービスは、顧客の課題を解決する最適なアプリケーションの開発、実行について、アプリケーション特性に応じてPRIMEHPC FX1000やPCクラスタ、デジタルアニーラから最適な環境を選択し、アプリケーションの高速化などを支援する。

 これらのサービスにより、顧客と富士通でCaaSを活用したアプリケーションを共同開発し、顧客の業務に活用することや、新たなサービスとして利用者に提供できるとしている。

 また、CaaSをより安心安全に利用できるようにするために、組織間でのデータのやり取りなどにおいて、高度なセキュリティを実現する「Fujitsu Computing as a Service Data e-TRUST」の機能を、2022年度中に提供予定としている。

 富士通では、CaaSはサステナブルな世界の実現を目指す「Fujitsu Uvance」を体現するクラウドサービス群として、現在の社会課題である感染症対策や高機能な新材料の開発、輸配送の人手不足などを、最先端のシミュレーションやAI、組み合わせ最適化などの技術により解決することを目指すと説明。今後、外部クラウドとの連携による環境強化や、CaaSのアプリケーション拡充を含めたエンハンス、CaaSのアプリケーションを活用した「Fujitsu Uvance」のサービス提供も合わせて進め、2023年度からCaaSのグローバル展開を行うとしている。