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富士通、CaaS上で産総研のAI処理向け計算インフラ「ABCI」を提供

 富士通株式会社は23日、高度なコンピューティング技術とソフトウェア技術を誰もが容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」上で、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)が構築・運用する世界最大規模のAI処理向け計算インフラストラクチャ「AI橋渡しクラウド」(AI Bridging Cloud Infrastructure:ABCI)の豊富なGPU計算リソースのサービス提供を行うと発表した。2023年4月より開始するための協議を進めているという。

 CaaSは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やAI技術、富士通の量子インスパイアード技術である「Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer」を融合したクラウドサービス群。創薬や材料解析、物流、自然災害シミュレーションなど、より幅広い分野の社会課題解決を最先端のシミュレーションやAI、組合せ最適化などの技術で解決することを目指しているという。

 今回発表された新サービスでは、CaaSのアプリケーションを、ABCIの豊富なGPU計算リソースとともに提供可能になる。これにより、創薬や材料解析、物流、自然災害シミュレーションなどさまざまな分野において、ABCIが有する世界トップレベルの計算処理能力とデータ処理能力を用いて、従来のオンプレミスな計算環境では実現し得なかった大規模なシミュレーションを、短時間で処理できるようになるとのこと。

 富士通では、こうした仕組みにより、専門技術者を有していない国内企業を含めた、より多くの企業が、先端的で大規模なコンピューティング技術を利用可能になるため、最先端技術の社会実装加速と産業競争力強化につなげられると、その意義を説明している。なお新サービスは、デジタルインフラ「Hybrid IT」のサービスとして提供開始される予定。

「CaaS」全体イメージ