ニュース

富士通、スペインの大手金融機関における投資ポートフォリオの最適化検証で「デジタルアニーラ」の有効性を確認

 富士通株式会社は22日、スペインの大手金融機関Kutxabank(クチャバンク)が推進する投資ポートフォリオの最適化検証プロジェクトにおいて、組み合わせ最適化問題を高速に解く富士通の量子インスパイアード技術「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer(以下、デジタルアニーラ)」が採用され、第1フェーズとなる実証実験で、デジタルアニーラを活用して開発された新しいアルゴリズムの有効性が確認さたと発表した。

 同プロジェクトは、スペイン企業のQuantum MadsおよびオープンイノベーションプラットフォームのINNOLAB Bilbaoが参画する共同プロジェクトで、実証実験ではQuantum Madsが中心となり、富士通のデジタルアニーラを活用して、問題の定式化に必要な変数の数を減らすアルゴリズムを開発した。

 アルゴリズムを用いて過去3年分の膨大なデータを処理し、現在Kutxabankが実際の業務で使用している古典的アルゴリズムと比較したところ、リターンとそれに伴うリスクやボラティリティの指標において大幅な改善が確認でき、デジタルアニーラによって、より適した投資配分の算出が可能なことを実証したとしている。

 第1フェーズは2021年から2022年7月まで行われ、今後、2023年12月にかけてプロジェクトの第2フェーズが実施され、現在の実運用業務環境に合わせてアルゴリズムの最適化を図っていく予定。プロジェクトでは今後、実運用業務環境において、顧客の投資のニーズや機会を検出できるプロトタイプの作成と、それに基づく新たなソリューションの開発を目指すとしている。