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NEC、顔認証技術を自動販売機の決済に活用できるサービスを提供開始

伊藤園が先行して採用

 日本電気株式会社(以下、NEC)は24日、同社の顔認証技術を自動販売機の決済に活用できるサービスを提供開始すると発表した。すでに、株式会社伊藤園での5月中旬の先行導入が決定しており、そのほかにも、複数の飲料企業が導入を検討しているとのこと。

 今回の新サービスは、自動販売機で顔認証決済を実現するもので、飲料企業などに対して、顔認証決済を行うためのクラウドサービスと、顔認証決済アプリを搭載したタブレット端末を提供。新設自販機への取り付けだけでなく、既存自販機への後付けにも対応する。

 これにより利用者は、現金やキャッシュレス決済可能なカード、スマートフォンなどがなくても、手ぶらで飲料を購入できるようになる。また工場、建設現場、高いセキュリティが求められる施設などでは、物品の持ち込みに制限がある場合があるが、こうした場所でも顔認証決済を利用することでスムーズに購入可能になるため、飲料企業による自販機の設置場所拡大に貢献するとした。

 加えて、サービスを通して蓄積された利用者の購買日時や金額、年代や性別などの情報を活用した、飲料企業による販売施策の立案や商品企画などのマーケティング活動を支援するとのこと。なお利用者の個人情報については、利用者本人からの許諾を得た上でマーケティングに活用する。

 一方、利用者がこのサービスを導入した自販機を利用するには、自販機に記載のQRコードをスマートフォンでスキャンし、専用Webサイトで氏名、クレジットカード情報、購入時のパスコード、顔画像などを事前登録しておく必要がある。購入時は、商品を選択し顔認証を行った後、パスコードを入力するだけで購入可能だ。

 また2023年度中にはサービスの強化を予定しており、生体認証と複数のソリューションをつないでID連携を実現する「Bio-IDiom Services ID連携」と接続可能にする予定。これにより、施設の入退場、PCのログイン、マンションのエントランス、ホテルのチェックインなど、すでにさまざまなシーンで顔認証を導入している場所において、追加登録なく同じIDで顔認証による自販機の決済が可能になる。

 参考価格(税別)は、最小導入数20台の参考価格は、初期費用450万円、月額費用15万円。NECでは、今後5年間で5000台の自販機への導入を目指している。