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富士通、ローカル5Gを活用したドローン監視や災害救助支援などの検証が可能な環境を栃木県の那須工場に整備

 富士通株式会社は20日、屋外で利用するローカル5Gのシステム全体を検証できる常設の施設として、通信機器の製造拠点である那須工場(栃木県大田原市)に検証環境を構築したと発表した。

 検証環境は、約1万5000平方メートルのエリアで、住宅が密集する地域での検証が難しいドローンを活用した飛行実験や、広範囲での無人搬送車、無人搬送ロボット(以下、AGV)の運行試験など、ローカル5Gの屋外活用に向けた技術検証が可能になる。

 システム検証設備としては、富士通のローカル5Gスタンドアロンシステム「FUJITSU Network PW300」を使用した実験基地局と、ローカル5Gネットワークを常設。ドローンやAGVなどの検証器材や、作業端末の持ち込みのみで検証を行える。

 また、トレンドマイクロ株式会社が提供する、5Gおよびローカル5G向けセキュリティソリューション「Trend Micro Mobile Network Security」を、FUJITSU Network PW300に組み込み常設する。

 カバーエリアは、富士通那須工場内検証エリアの範囲約1万5000平方メートル、高度20メートルまで。

 検証環境では、ドローンを活用した侵入者検知やドローンの制御検証のほか、自然災害発生時の被害状況把握、屋外設備の遠隔監視など、屋外環境を想定したさまざまな検証を行うことが可能。屋外施設の設備点検や侵入者検知、河川や山斜面の監視を模した検証など、現場にローカル5G環境を構築する前に、制御の妥当性やシステムの保全性、連結試験など、ローカル5Gを含むシステム全体の検証ができる。

 また、屋内検証環境の「FUJITSU コラボレーションラボ」と連携して、屋内動作検証から実際の運用に近い屋外での検証まで含めた大規模な検証も行える。

 富士通では、検証環境を用いた検証の第一弾として、NTTコミュニケーションズ株式会社による、侵入者検知や対象物を自動追尾する監視業務向けの機能について、ローカル5Gを活用した場合の有用性を7月中旬より共同で検証する。

検証例のイメージ