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IBM、RISE with SAPソリューションを活用して自社のビジネスオペレーションを変革

 米IBMは現地時間11日、独SAPとのパートナーシップを拡大し、クラウド移行を支援する「RISE with SAP」ソリューションを活用した、自社のビジネスオペレーション変革に取り組むと発表した。

 IBMは、パートナーシップ拡大の一環として、世界120カ国以上、1000の法人、ソフトウェア、ハードウェア、コンサルティング、ファイナンスを支える多数のIBM事業の業務環境を、SAPの次世代ERPソフトウェアである「SAP S/4HANA」に移行する。

 このプロジェクトは、「RISE with SAP S/4HANA Cloud, private edition, premium supplier option with IBM Consulting」によるビジネスプロセスの改善を主眼として、最終的には375TB以上のデータを「IBM Power on Red Hat Enterprise Linux on IBM Cloud」に移行する予定としている。

 IBMは、顧客のクラウド運用を支援できるよう、プロセスをモダナイズするとともに、より優れた洞察を提供する必要性を認識し、RISE with SAPを活用して世界中のデータの集中化・標準化を進めていると説明。SAP HANAデータベースへのアクセスにより、データにリアルタイムでアクセスし、事業部やチーム間でより効率的に共有でき、パートナーシップの拡大により、AIと自動化したワークフローによる意思決定の改善を図れるとしている。

 IBMでは、この変革プロジェクトが完了すると、IBMの580億ドルの収益のほぼすべてが、SAPソフトウェアを経由することになるとしている。

 また、IBMでは、RISE with SAP on IBM Power on Red Hat Enterprise Linux on IBM Cloudのプレミアムサプライヤーオプションを拡大することも発表した。

 IBMは、自社の移行に使用したものと同じクラウドベースのコンピューティング能力を顧客に提供。プレミアムサプライヤーオプションの拡大により、RISE with SAP on IBM Cloudを実行している顧客には、IBM Power on Red Hat Enterprise Linux on IBM Cloudでワークロードを実行するオプションを追加提供する。

 IBMはプレミアムサプライヤーとして、RISE with SAPにおけるインフラストラクチャー、テクニカルマネージドサービス、ビジネス変革、アプリケーション管理サービスを提供する初のクラウドプロバイダーとなったと説明。ハイブリッドクラウド戦略でワークロードをモダナイズする顧客が増加する中、IBMとSAPはPowerサーバーを利用する顧客に対し、オンプレミスで稼働するアーキテクチャーと一貫して使用可能なRISE with SAP S/4HANA on Powerを提供するとしている。

 IBM Cloud上でRed Hat Enterprise Linuxを基盤としてIBM Powerを利用する企業は、IBMとRed Hatが提供する柔軟性、レジリエンシー、セキュリティー機能により、ミッションクリティカルなワークロードを、クラウド環境においても高いレベルのパフォーマンスで実行可能になるとしている。