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日本IBMとSAPジャパン、デジタル変革への支援を強化するため日本国内での協業を深化

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)とSAPジャパン株式会社は27日、タスクチームを共同で設立し、専用トレーニングにより人材を増強するなど、日本国内での協業を深化していくと発表した。

 IBMとSAPでは、グローバルレベルでパートナーシップを深めることを4月に発表している。協業では、コグニティブ技術の活用、カスタマーエクスペリエンスとユーザーエクスペリエンスの強化、業界ごとのデジタル変革に特化したロードマップの構築などを展開し、SAP S/4HANAによってもたらされる新たな価値を、オンプレミスおよびクラウドで顧客に提供していくとしている。

 今回、グローバルの戦略に基づいた日本企業向けの取り組みとして、グローバルで培った両社のスキルや知見を生かしながら、日本企業に最適なデジタル変革を支援していくとしている。

 両社では日本での取り組みとして、IBMのコグニティブテクノロジーとSAPの最新技術を融合し、次世代のエンタープライズアーキテクチャーおよびアプリケーション環境整備を推進すると説明。それを支えるデジタルコアとして、SAP S/4HANAおよび関連技術を中核に据え、顧客企業の新たな競争優位性を築くためにデジタライゼーションを加速するとしている。

 また、旧来のウォーターフォール型のシステム導入の進め方を見直し、エンタープライズアプリケーション環境整備の進め方そのものの変革を進めると説明。さらに、システム稼働後のアプリケーションマネージメントサービスの領域においても、コグニティブテクノロジーを適用することで、ヘルプデスク機能の自動化や、変更影響の見極め、変更対応・管理のオートメーション化などに取り組むとしている。

 日本での取り組みでは、想定されるビジネスシナリオに基づくデモ環境の整備、実際に体感できるようにした提案型の営業活動を両社共同で推進するとともに、両社でデジタル変革のタスクチームを共同で設立し、運営すると説明。その第1弾として、アパレル・流通業向けのビジネスを両社で進めていく。

 これに伴い、SAPジャパンでは、SAPソリューションの100人規模の専用トレーニングを、2016年中に日本IBMに提供し、導入を促進していくとともに、IoTなどさらなるデータの利活用領域にも協業を広げていく。

 さらに、SAP HANAを活用したビジネスについても、両社の協力を深化。両社で、IBM Power Systems上でのSAP HANA環境の導入を推進するための専任の営業体制を設置し、デジタル変革による顧客のビジネス成長の支援を共同で実施する。

 日本IBMでは、5月9日にSAPジャパン本社ビルの「COIL(Co-Innovation Lab)」内に、SAP HANA on Power検証センターを設立し、SAPパートナー各社向けに、IBM Power Systems上のSAP HANAの実証テスト環境の提供および両社テクニカルチームによる検証サポートを提供している。また、SAP HANAを検討中の顧客に対して、IBM Power Systems上のSAP HANAの導入に向けた各種検証および実証テストを支援するマイグレーションアセスメントサービスも提供する。