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SAPとRed Hatが提携を拡大、Red Hat Enterprise Linux上のでSAPソフトウェアのワークロードをサポート

 独SAPと米Red Hatは現地時間1日、SAPのRed Hat Enterprise Linuxの活用およびサポートを大幅に拡大するために、パートナーシップを拡大したと発表した。

 SAPは、両社の長年にわたるコラボレーションをもとに、社内IT環境の一部とSAP Enterprise Cloud Servicesポートフォリオを、Red Hat Enterprise Linuxの標準基盤上に着実に移行していると説明。これは、SAPの進化するビジネスとITのニーズに、よりよく対応するための移行になるとしている。

 また、SAPは移行ロードマップの一環として、RISE with SAPソリューション導入において、Red Hat Enterprise Linuxを使用したRISE with SAPソリューションのサポートを強化している。Red Hat Enterprise Linuxは、堅牢な本稼働用Linux OSとして信頼を得ており、SAPソフトウェア導入のための一貫した信頼性の高い基盤を提供し、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境全体でSAPの顧客をサポートするための標準Linuxバックボーンを提供することで、信頼を築いているとしている。

 Red Hat Enterprise Linuxを採用するSAPの社内IT環境およびSAP Enterprise Cloud Servicesは、現代および将来の技術要件に対応するための柔軟性を高められると説明。RISE with SAPソリューションとの組み合わせにより、Red Hat Enterprise Linuxは、クラウド環境全体におけるRISE with SAPソリューション導入をサポートする強化されたパフォーマンス機能を提供し、次世代のITイノベーションを計画する顧客のクラウド採用とイノベーションへの道をスムーズに切り開くとしている。

 今後1年間、Red HatとSAPは密接に協力し、Red Hat Enterprise Linux上のRISE with SAPソリューションワークロードのサポートを拡大し、SAPのRed Hat Enterprise Linux採用をより広範囲に加速していく。

 Red Hatは、Red Hat Enterprise Linuxをより広く実装するSAPをサポートするため、専任の製品エンジニアとオンサイトリソースを提供し、SAPのエンジニアリングおよび技術チームが、Red Hat Enterprise Linux上での標準化と、SAPとRed Hatのソリューションの相互運用性の推進を支援する。SAPの社員は、Red HatラーニングサブスクリプションPremiumを通じて、仮想およびインストラクター主導のRed Hatトレーニングコースとハンズオンラボを通じて、重要な技術スキルを身に付け、Red Hatのハイブリッドクラウド技術に関する知識を深められる。

 SAPソフトウェアのワークロードをRed Hat Enterprise Linux上に拡張するこの共同イニシアチブは、ビジネスの俊敏性の向上、クラウド導入の加速、ビジネスイノベーションの推進を容易にすることを目的としていると説明。顧客は、Red Hat Enterprise Linuxに支えられたRISE with SAPソリューションに基づき、SAP S/4HANAなどのSAPソフトウェアをベースとするクラウドイノベーションプロジェクトをより容易に合理化できるとしている。