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ServiceNow、“思いのほかDXが進まない”製造業のデジタル化を支援 ユースケースに応じた5つのデジタルワークフローを提供
2022年4月21日 11:30
ServiceNow Japan合同会社は20日、同社が製造業界向けに提供するソリューションについて記者説明会を開催した。
説明会ではまず、ServiceNow Japan 営業事業統括 製造営業統括本部長の松本大輔氏が、製造業界の現況とデジタル化への課題について解説した。「現在の製造業サプライチェーンを取り巻く固有の状況としては、『ものづくりのグローバル化』、『消費行動の多様化と要求レベルの高まり』、『新たな社会価値・テクノロジーの進化』、『感染症の拡大によるサプライチェーンへの影響』が挙げられる。こうした中でデジタル化の気運も高まりつつあるが、製造業のリーダーは、デジタル化への投資に大きなリスクを感じているのが実情だ」と、製造業では思いのほかDXが進んでいないと指摘する。
「製造業では、レガシーのサプライチェーンシステムが独立して動いているケースも多く、従業員や部署、拠点、顧客、パートナー間を連携する基盤が設計されていないことが、デジタル化への投資を阻む一因になっていると思われる。そこで、当社では、社内外問わず部門を超えて、バリューチェーン全体でつながり、有機的な協業を支援するデジタルの仕組みがあれば、製造業のDXを進展させることができると考え、サプライチェーンエンゲージメントを推進している」(松本氏)と述べた。
同社が推進するサプライチェーンエンゲージメントは、製造業において単一プラットフォーム上のデジタルワークフローを実現するもの。これにより、顧客、サプライヤー/パートナー/ディストリビュータ、従業員、オペレーション部門、OT/IoTインフラの5者のエンゲージメントを強化することができるという。「具体的には、顧客では、双方向の対応により顧客ロイヤルティーを向上。サプライヤー/パートナー/ディストリビュータでは、リアルタイムのコラボレーションを実現。従業員は、必要な情報にいつでもどこからでもアクセスが可能となる。オペレーション部門では、デジタル化の推進により生産性と効率性が大幅に向上。OT/IoTインフラでは、全体が可視化され、接続されることで、安定稼働が可能になる」(松本氏)としている。
次に、ServiceNow Japan ソリューションコンサルティング事業統括 製造SC統括本部 統括本部長の津留崎厚徳氏が、同社が展開する製造業向けソリューションの概要について説明。「当社の製造業向けソリューションは、Now Platform上でServiceNow製品を組み合わせることで、ユースケースに応じて『Customer Workflows』、『Factory Workflows』、『Supplier Workflows』、『Workforce Workflows』、『IT&Shared Services Workflows』の5つのデジタルワークフローを用意している。このソリューションにおいてNow Platformは、“Systems of Action”(業務アクションの共通基盤)として、サプライチェーンの司令塔としての役割を担い、組織と既存システムをまたいだ業務の自動化を実現する」とした。
各ソリューションの特徴としては、「Customer Workflows」は、顧客エクスペリエンスの強化(売上・利益の拡大、顧客サービスコストの低減)に向けたデジタルワークフロー。「Factory Workflows」は、エンジニアリングと生産プロセスの自動化と強靱(きょうじん)化を図るためのデジタルワークフロー。「Supplier Workflows」は、サプライヤーリスクの管理とサプライチェーンのレジリエンスの確保に向けたデジタルワークフロー。「Workforce Workflows」は、従業員のエクスペリエンス強化(従業員エンゲージメントとチームワークの醸成)に向けたデジタルワークフロー。そして、「IT&Shared Services Workflows」は、管理部門の生産性向上とコスト削減を図るデジタルワークフローとなっている。
主な導入事例について、津留崎氏は、「『Factory Workflows』は、機械工具製造メーカーにおいて、全社で推進する“Industry 4.0イニシアティブ”のプラットフォームとして導入された。ユースケースの一例としては、製造オペレーションにおけるインシデント対応のデジタル化を実現した。『Supplier Workflows』は、サプライヤーマネジメントの高度化を目的に、自動車メーカーに導入された。この事例では、43%のデータ品質改善、13%の納期パフォーマンス改善、10%の物流コスト削減を実現している。また、『IT&Shared Services Workflows』は、日立製作所との協業で開発したPSIRT運用プラットフォームのワークフローに採用されている」と紹介した。