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オープンソース監視ソフトのLTS版「Zabbix 6.0」、ビジネスレベルでの監視やKubernetes監視などをサポート

 Zabbix Japan合同会社は16日、オープンソース監視ソフトウェア「Zabbix」の新版「Zabbix 6.0」をリリースしたと発表した。

 Zabbixは、サーバー、ネットワーク機器、サービスなど、さまざまなITリソースを監視・追跡できるよう開発されたオープンソースの監視ソフトウェア。おおむね1年半ごとに安定版が提供され、5年間サポートが提供されるLTS(長期サポート:Long Term Support)と、6カ月ごとに安定版が提供されるポイントリリースの、2つのリリース形態で提供されている。

 今回発表されたZabbix 6.0はLTS版で、標準でリリース後5年間、延長サポートを含めれば最長7年間のサポートを提供。Zabbix 5.2や5.4で実装したものも含めて、さまざまな機能強化が行われた。

 まず、従来のサービス監視機能が大幅に強化され、ビジネスレベルの監視を実現可能になった。このビジネスサービス監視(BSM)機能では、柔軟な条件設定、新しい計算ロジック、改善されたUIデザインを組み合わせ、ビジネスサービスの監視、根本原因の分析、ビジネスSLAレベルの監視などをエンドユーザーが行うために必要な機能を提供する。これにより、例えば、原因分析機能を活用し、ビジネスレベルでのSLAダウンを引き起こす可能性のある、根本的な問題のリストを見つけられるとした。

 また、ZabbixサーバーのHAクラスタ機能により、外部ツールを使わずにZabbixサーバーの冗長構成を構築可能になった。1台または複数のスタンバイノードを設定し、ハードウェア障害時や計画的なメンテナンス時のダウンタイムを回避できるとしている。

 さらに、Kubernetesの監視機能と設定を標準搭載し、コンテナやコンテナオーケストレーションを利用している環境についても、監視を行えるようにした。Kubernetesノード、Podの自動検出と監視機能を備えており、Kubernetesインフラを複数の視点から監視できる。

 加えて、新たなベースライン監視とアノマリー検知のトレンド関数機能によって、静的なしきい値での障害検知に頼るのではなく、過去のデータを利用した動的な方法での障害検知に対応している。

 このほか、新しいテンプレートとして、Dell PowerEdge、HPE ProLiant servers、Cisco ASAv、F5、Cloudflare、VMWare SD-WAN VeloCloudなど、要望の多いベンダー機器の新たなテンプレートを追加。また、データ収集の改善に加え、収集したデータを可視化する機能が追加された。ジオロケーションマップにより地理的なマップを作成し、そこに監視対象のホストと障害を地図上に表示して、監視対象全体の状態を把握できる。ダッシュボードでは、トップNおよびボトムNのデータ概要、改良されたベクターグラフ、SLAステータスの表示などの新しいウィジェットを利用可能だ。

Zabbix 6.0 ダッシュボード上のジオロケーションマップ

 なお関連製品・サービスでは、Zabbix 6.0のZabbix Enterpriseサポートが同日より開始されるほか、Zabbix 6.0のアプライアンス製品やトレーニングは4月より提供される予定。さらには4月より、Zabbix Enterpriseサポートサービス加入者向けの無償トレーニングサービスも提供されるとしている。