週刊データセンターWatch:

ネットワンシステムズとNTT西日本がIOWNで実証実験、分散データセンターから600km離れたロボティクスの遠隔推論に成功
2026年3月3日 06:00
ネットワンシステムズ株式会社とNTT西日本株式会社は、IOWNオールフォトニクス・ネットワーク(IOWN APN)を活用した分散AI・自律ロボティクス基盤構築の実証実験の結果を発表した。分散データセンターの有効性、自律型協働ロボティクスの遠隔推論、マルチベンダーデバイスとのAPN接続などの有効性が確認されたとしている。
日本では労働人口の減少などを背景に、AIやロボットを活用した各種オートメーション技術への期待が高まっている。しかし、こうしたシステムの実現には、大量のセンサーデータ、映像、音声などを遅滞なく処理できる通信インフラが欠かせない等、さまざまな課題がある。
ネットワンシステムズとNTT西日本ではこうした課題への対処として、次世代通信技術として開発が進められているIOWNの活用を検討。2025年8月25日から11月18日にかけて、大阪の京橋および堂島、福岡の3拠点をIOWNで結んで、分散データセンターとして運用する実証実験を行った。
実験環境では、自律型協働ロボティクスの模倣動作によるモデル学習と遠隔推論動作が成功。将来的な社会実装の可能性を大きく高める、重要な成果が得られたという。
大阪・京橋に設置された自律型協働ロボティクスを推論動作させる実験では、学習済みモデルを現地・福岡(約600km離れた遠隔地)・インターネット(疑似環境)のそれぞれに置いて比較検証した。カメラ映像をその都度データセンター側に送信するという高負荷な実験で、現地設置では遅延0ms、推論頻度18.2回/秒であった。
これに対してインターネットは40ms、3.5回/秒に留まり、動作にガク付きが発生。これに対して福岡設置の場合は6ms、8.7回/秒で、正常動作した。この結果の差はデータ伝送の遅延の影響と結論付けられている。
両社では、本実験の結果なども参照しつつ、次世代のリアルタイムなロボット制御技術の確立、そして社会課題の解決を目指し、さらなるビジネスモデル検証を進める。
