ニュース

TISとインテック、企業のAPI公開を支援するAPIプラットフォームの構築サービスを提供

 TIS株式会社と株式会社インテックは3日、企業のデータ連携を支援するAPIプラットフォームを共同開発し、その構築サービスを開始すると発表した。

 開発したAPIプラットフォームは、企業が持つシステムやデータを、社内外へセキュアにAPI公開するための基盤となるシステム。API公開時に必要となるセキュリティ機能や、APIの公開設定を統合して扱える管理機能を標準で搭載し、企業のAPI開発と公開にかかるコストや期間を削減する。

APIプラットフォーム構築サービスのイメージ

 プラットフォームを介して公開するAPIは、業界標準の認証方式である「OpenID Connect」に対応でき、複数のAPIを横断する場合もシングルサインオンによる認証の一元化が可能。APIの公開範囲を設定し、データの種類によって流通範囲を制限することで、APIを介して安全にデータを提供できる。

 APIの管理には、米Kongの製品をベースに、株式会社ブリスコラが開発・提供するフルライフサイクルAPI管理製品「BAMs Series」を採用し、安定した動作と大量アクセス処理を両立する。

 認証サービスとの連携、ロギング、運用に関する機能など、各APIで共通に利用する機能はプラットフォームが提供するため、APIの内製範囲を限定できる。また、既存システムと接続する場合も、通信方式、データ形式、認証方式などを変換する接続モジュールと、APIアクセスを受け付けるモジュールを個別に開発・導入できるため、それぞれの開発規模を小さく抑えられる。

 システム間のデータ仲介には、EUのインダストリー4.0政策でも広く採用されている「FIWARE」を利用し、オープンで透明性の高いシステムを実現。プラットフォームはコンテナをベースとしたマイクロサービスアーキテクチャを採用しているため、スモールスタートから導入後にスケールアウトしていくといった運用にも対応する。

 TISとインテックでは、製造、金融、流通など、システム間の連携や分野横断データの活用により競争力の強化を図りたい企業や、企業間データ連携によって受発注業務やリアルタイム在庫引き当てなど業務DXを加速したい企業に向けて、APIプラットフォームの構築サービスを提供していくと説明。今後は、プラットフォームの機能バージョンアップ、設定プリセットの開発、デフォルト接続モジュールの拡充など開発を進めるとともに、サービス形態での提供を行うことで、2025年までに100社の導入を目指すとしている。