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NTTコムウェアの現場支援クラウドサービス「フィールドコラボ」、現場での安全管理機能を強化

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は19日、工事プロセス管理と現場コミュニケーションを一体化させたクラウドサービス「フィールドコラボ」において、作業者の安全を確保するための機能を搭載した新版を提供開始すると発表した。価格は個別見積もり。

 「フィールドコラボ」は、NTTの通信基盤を支える中で培ってきたコミュニケーション基盤の技術を生かして、インフラメンテナンス工事に関わる作業現場とオフィス(事務所)をつなぎ、リモートでの工事支援と工事進捗のリアルタイム共有・可視化を実現するクラウドサービス。映像・音声による遠隔作業支援やチャットによるコミュニケーション効率化と、それらのやり取りを自動で工事進捗データベースへ登録して一元管理する機能を備えており、生産性向上と安全確保の両立を支援するという。

 今回の新版では、安全確保の強化の観点から、労働災害型別で最も発生数が多い「墜落・転落」「転倒」や、近年増加する「熱中症」といったなど、労働災害リスクへの対策を強化している。

 工事現場での図面確認やコミュニケーションのためのスマートデバイス活用は広がりつつあるが、高所や暗い場所等でのデバイス操作は危険を伴うほか、厚生労働省の転倒災害防止対策として、「ながら」歩きの禁止などが点検対象になっているとのこと。

 そこで今回は、現場管理者など、利用者自身が自由に対話シナリオを作成できる音声チェックリスト機能を追加するとともに、ウェアラブルマイク/スピーカーと連携した音声での報告・帳票作成をハンズフリーで行えるように、機能強化を実施したとのこと。なお、音声UIにはNTTドコモの「ドコモAIエージェントAPI」を活用している。

音声対話AIによるハンズフリーレポートのイメージ

 さらに、構造物の高さを3Dモデル空間に描写することで、工事の前に管理者側で作業空間を事前に把握し、手順確認や位置ずれ、危険ポイントの抽出を行う機能を搭載した。設備や構造物のデジタルツイン化を実現するNTTコムウェアの「Smart Data Fusion」と連携し、作業空間と作業個所を統合した3Dモデル空間でのシミュレーションを実現しているとのこと。

3Dモデルによる危険作業把握のイメージ

 あわせて、「フィールドコラボ」のオプション機能として、現場での事故事例やナレッジを水平展開するための「業務掲示板」を提供し、複数現場の管理を行う管理者を支援する。

業務掲示板のイメージ

 なお、これらの機能を利用するためには、別途オプション契約が必要となる。

 また遠隔管理においては、作業者の姿を映像でしか見られないことから、健康状態の把握が困難という課題も抱えていた。これを解決するため、ウェアラブルIoTセンサーによって作業者の体調管理を行えるサービス「みまもりがじゅ丸」(NTTPC)とフィールドコラボをセットで提供することにより、作業者の体調をリアルタイムかつデジタルに把握できるようにした。

ウェアラブルIoTセンサーによる作業者健康管理のイメージ