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富士通、ITインフラ構築作業をメニュー化したプレフィックス型インテグレーションサービスを提供開始

 富士通株式会社は8日、ハイブリッド環境でのITインフラ構築作業をメニュー化した「FUJITSU Hybrid IT Service プレフィックス型インテグレーションサービス」を発表した。同日より販売を開始する。

 同社は2020年12月に、「FUJITSU Hybrid IT Service プレフィックス型運用サービス」を提供開始しており、今回のプレフィックス型インテグレーションサービスはこの運用サービスに続くものとなる。両サービスを組み合わせることで相乗効果が見込めるという。

プレフィックス型インテグレーションサービスについて

 富士通 戦略企画・プロモーション室 DISパイプラインマネジメントセンター センター長の藪田有司氏は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが進む中、情報系システムだけでなく基幹系システムもクラウドに移行させ、ハイブリッド環境でデジタルインフラを運用したいと考える企業が増えている。ただ、クラウドの基盤構築などITの整備は複雑で、時間も手間もかかるため、こうしたインフラ構築業務から脱却したいと考える企業も多い」と、クラウド活用におけるインフラ構築の課題を指摘。今回発表したサービスがこのような課題を解決するとした。

富士通 戦略企画・プロモーション室 DISパイプラインマネジメントセンター センター長 藪田有司氏

 プレフィックス型インテグレーションサービスは、多様化するインフラ構築作業をメニュー化し、メニューの中から顧客が自社に合う構築内容を選択できるというサービス。富士通のノウハウと実践知から、設計指針や実現方式、パラメータ、構築テスト手順をドキュメント化およびコード化し、ベストプラクティスとして型決めしたものだ。

 同サービスにより、「クラウド選択の自由度を確保し、高品質なITインフラ構築を実現し、構築リードタイムを短縮できる」と藪田氏は話す。「ユーザーはベンダーロックインから逃れたいと考えているため、環境選択の自由度を高めようと考えた。また、利用シーンが増えて構築が複雑化していることから、品質担保を重視した。そして、短納期と低コストに対する要望も高いため、その実現も目指したサービスだ」(藪田氏)

 クラウド選択の自由度が確保できる背景について藪田氏は、「共通の設計指針を定義することで、サービスの特性に影響されない柔軟なクラウド選択が可能になる」と説明する。「さまざまなクラウドを個別に設計すると、ベンダーロックインされてしまう可能性がある。そこで、富士通ではまずクラウド共通の設計指針定義し、その指針に基づき実装方法を考える」と藪田氏。現在同サービスが対象としているのは、富士通のクラウドであるFJcloud-OおよびFJcloud-V、Microsoft Azure、AWSで、この中から顧客の要望に応じて設計指針に基づき実装方式を提供する。

共通の設計指針によりクラウド選択の自由度を確保

 品質担保については、「富士通の実践知から導いたベストプラクティスと推奨値を、設計書やパラメータ設定、手順にプリセットすることで実現する」と藪田氏。また、リードタイムについては、「ドキュメントの標準化と、ツールを用いた手順の自動化により、手作業の削減と作業時間の短縮化を実現している。これにより、短納期かつ低コストで、すぐに使える構築サービスが提供できる」としている。

ベストプラクティスと推奨値で安定した品質を担保
標準化・自動化により構築リードタイムを短縮

 プレフィックス型インテグレーションサービスでは、作業工程の範囲や型決めのレベルに応じて「Enterprise」「Basic」「Lite」の3段階のメニューを用意する。

 Enterpriseでは、基幹系などの高信頼性が要求されるシステムを、自由度の高いカスタマイズによって提供する。Basicでは、設計の詳細を富士通に任せ、社内や業務向けのシステムを迅速に構築する。Liteでは、富士通既定のパラメータをフル活用し、検証環境や大量展開サーバーなどを短期間で提供する。

 藪田氏は、「目的に合わせて必要な作業項目の組み合わせパターンが選択できる。基本メニューに加えてオプションを追加選択することで、顧客の要件に柔軟に対応できるようになる」としている。

プレフィックス型インテグレーションサービスのメニュー

 なお、「標準化およびメニュー化の作業は大変だったが、これによって富士通のノウハウが的確に顧客に還元できるようになった。ノウハウがメニュー化できたことで、富士通の提案スタイルが変わることになる」と藪田氏は語る。

 システムインテグレーション全体のサービスと合わせて提案することが多いことから、今回の新サービス単独での提供価格は公表していないものの、「従来よりは安価に提供できる」と藪田氏。同サービスによる販売目標については、「5年間で100億円を目指す」としている。

 今回発表したインテグレーションサービスに加え、「今後は上流レイヤーを含めたさまざまな環境のメニュー化を進め、その他分野でのプレフィックス型サービスへと拡充していきたい」と藪田氏は述べた。