ニュース

富士通、企業拠点でクラウド環境を運用する「FJcloud-Vプライベートリージョン」の小規模環境向けを提供

 富士通株式会社は4日、企業の拠点に対して、パブリッククラウドと同等の機能を持つ専有のクラウド基盤を提供するオンプレミスクラウド事業を強化し、小規模向けの「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V プライベートリージョンSmall」(以下、FJcloud-VプライベートリージョンSmall)を提供開始すると発表した。

 富士通では、サーバーなどのハードウェアからソフトウェア、ネットワーク、マネージドサービスや保守サービスまで一体化し、企業の拠点で運用するオンプレミスクラウド事業を2020年6月より行っている。

 従来は、ITサービス事業者など、大規模なIT環境を自社拠点で運用している企業向けに、1000VM以上などの大規模で利用できる「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V プライベートリージョン」(以下、FJcloud-Vプライベートリージョン)のLargeモデルや、100~1000VM規模向けのMediumモデルを主軸に提供してきたが、今回は、100VM(仮想マシン)規模に対応した小規模向けモデルの「FJcloud-VプライベートリージョンSmall」を新たにラインアップした。

 オンプレミスクラウドでは、パブリックラウドと同等の機能を持つ企業専有のクラウド基盤がサブスクリプション型で提供され、富士通の専門の技術者が、パブリッククラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V」(以下、FJcloud-V)に導入され、日々強化されるAIによる障害の予兆検知や障害防止に向けた自動対処などの先進技術や高度ノウハウを、リモートから実装する。

 またクラウド基盤更新時には、富士通がサーバーなどを入れ替えるため、常にリフレッシュされた最先端のクラウド基盤を利用できるとのこと。

 さらに、「FJcloud-V」と同一インターフェイスの管理ポータルが利用可能。これにより、企業のオンサイトに設置する「FJcloud-Vプライベートリージョン」や「FJcloud-V」を含めて、システムのロケーションを問わず、ハイブリッドIT環境の統合的な運用管理を実現できる点も特徴とした。

 富士通では今回、小規模モデルをラインアップに加えることにより、クラウド活用が進みづらかった、リアルタイムデータを低遅延で処理する必要がある製造ラインの制御系や、金融や公共機関の基幹系のシステムなど、さまざまなオンサイトのIT環境におけるクラウド活用を実現し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支援するとしている。

 「FJcloud-Vプライベートリージョン」の価格は、月額200万円台(税別)から。なお今後は、20VM規模から利用できるモデルやコンテナ搭載モデルなどのラインアップを拡充し、オンプレミスクラウド事業を強化するとのことだ。