ニュース
富士通、ハイブリッドIT環境を実現する閉域ネットワーク基盤「Digital enhanced EXchange」を提供開始
2020年8月6日 13:25
富士通株式会社は6日、企業向けソリューション群「FUJITSU Hybrid IT Service」において、ハイブリッドIT環境のネットワークを最適化する「Digital enhanced EXchange(以下、DEX)」の提供を開始した。
DEXは、各種クラウドサービスや富士通のデータセンターを接続した閉域ネットワーク基盤。顧客企業は、自社のオンサイトから、富士通の企業向けネットワークサービス「FENICS」や通信キャリア網を介してDEXに接続することで、富士通のデータセンターで稼働するクラウドサービスや、パートナーのクラウドサービスなどにプラグインイメージでセキュアに接続できる。
これにより、システムのクラウドへの移行や、BCPに最適なシステム環境の実現、ベンダーニュートラルなハイブリッド・マルチクラウドシステムの構築・運用などが容易に行えるとしている。
クラウドへの移行については、富士通のデータセンター内の物理サーバーで稼働する顧客の業務システムを、段階的にクラウドへ移行し、その後のシステム運用まで含めて支援する。DEXは、富士通のデータセンターにおける顧客のプライベート環境と、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」や同クラウド上のOpenShiftをベースとしたプラットフォームをつなぎ、最適なネットワーク環境を実現する。
BCP対策としては、顧客のBCPに合わせた最適なディザスタリカバリおよびデータの遠隔地バックアップを実現。東西エリアで稼働する富士通のデータセンターや各種クラウドサービスをDEXで接続することで、東西エリア間における顧客業務システムの本番環境とバックアップ環境の相互接続やデータバックアップを簡単に行うことができる。東西エリア間の10Mbpsと100Mbpsの回線を無料で提供(100Mbps回線の無料提供は2021年3月31日までの期間限定)することで、災害時などのリスク対策におけるコスト最適化を図る。
また、DEXにより、インターネットを介さず、高品質で安定したネットワーク環境下で、Microsoft AzureやAmazon Web Services(AWS)などのパートナークラウドサービスへの接続が可能。パートナークラウドサービスと富士通のデータセンターに設置した物理サーバーやクラウドサービス間を接続し、顧客のシステム要件に最適なベンダーニュートラルなハイブリッド・マルチクラウドシステムの構築・運用を可能とする。
2020年度下期には利用可能なパートナークラウドサービスを拡大するとともに、2021年度中にはハイブリッド・マルチクラウドシステム環境の接続リスクを解消するネットワークセキュリティなどの機能強化を予定する。
富士通では、DEXを利用することで、自社システムにおける複雑なネットワーク設計や回線の手配などが不要となり、富士通のデータセンターを利用する企業の場合、クラウドサービスに接続するコストを約6割削減、構築期間を約9割短縮できると説明。今後も、DEXにおける高度なセキュリティ要件に対応した先端技術の実装や、接続可能なクラウドサービスの拡大などをはじめ、FUJITSU Hybrid IT Serviceのサービス機能を強化・拡充していくとしている。