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富士通、ハイブリッドIT環境を実現するソリューション群「FUJITSU Hybrid IT Service」を発表

 富士通株式会社は6月11日、企業向けソリューション群「FUJITSU Hybrid IT Service」を発表した。オンプレミスからプライベートクラウド、富士通のクラウドサービス、他社パブリッククラウドまでのインフラ基盤の「水平統合」と、インフラ基盤からアプリケーション開発、マネージドサービスまでのサービス範囲の「垂直統合」で、標準化されたサービスを提供するという。2022年度までにFUJITSU Hybrid IT Service関連ビジネスで売上1兆円を目標とする。

 同日オンラインで開催された記者説明会で、執行役員常務 デジタルインフラサービスビジネスグループ長の島津めぐみ氏は、ユーザー企業にとっての価値を説明。自動化や統合による30%の負荷削減、サブスクリプション型課金で可視化されることによる20~40%のTCO削減、俊敏性と拡張性による20%の構築納期短縮、99.9999%の信頼性・安全性を挙げた。

FUJITSU Hybrid IT Service
FUJITSU Hybrid IT Serviceの提供イメージ
ユーザー企業への提供価値
富士通株式会社 執行役員常務 デジタルインフラサービスビジネスグループ長の島津めぐみ氏

基盤サービスFJcloudを6月11日開始

 FUJITSU Hybrid IT Serviceではまず、インフラ基盤サービスの「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」(以下FJcloud)を6月11日に開始した。従来のオープンソースベースの基盤サービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」を「FJcloud-O」として、VMwareベースの基盤サービス「FUJITSU Cloud Service for VMware」を「FJcloud-V」として刷新して提供する。

 中でもFJcloud-Vは、従来FUJITSU Cloud Service for VMware NIFCLOUDとして主に中堅・中小の顧客で積んできた実績をもとに、基幹システムの移行先を狙うという。

 サービスラインアップとしては、データセンター、ネットワーク、ストレージ、サーバーの構成要素について、共有と専有を組み合わせて、Model 1~4のサービスメニューを用意する。特に、基幹システムに向けて、共有リソースに懸念を抱いているユーザー企業に対して専有型で不安を払拭するという。

 また、FJcloudは継続的にエンハンスしていく。FJcloud-Oでは2020年度上期に、政府情報システム固有要件に対応した「ガバメントクラウドモデル」の提供を予定。FJcloud-Vでは2020年度下期に、既存のVMware上の仮想サーバーを停止せずに移行する「仮想サーバ無停止移行」の提供を予定している。

FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud。FJcloud-OとFJcloud-Vがある
基幹システム移行先としてのFJcloud-V
FJcloudのサービスラインアップ
FJcloudのエンハンス予定

閉域網や統合ポータルなど順次拡充

 そのほかのサービスとしては、まず、クラウドやデータセンターの間を閉域ネットワークでセキュアに接続する「Digital enhanced EXchange(DEX)ネットワーク」を、2020年第2四半期に提供開始を予定する。

 また、さまざまな環境を統合的に制御・可視化・自動化する「統合マネジメントポータル」を、2020年第1四半期に提供する予定。統合マネジメントポータルから各パブリッククラウドなどのAPIを呼び出すAPIアダプターも随時開発していく。

閉域ネットワークで接続する「Digital enhanced EXchange(DEX)ネットワーク」
統合マネージメントポータル

 デリバリーモデルとしては、役務サービスを仕様と価格が定義された173項目のプレフィックスメニューとして提供する「プレフィックス型サービス」を2020年度第2四半期に開始予定。項目を組み合わせたセットメニューも提供する。

 また2020年度下期からは、「サブスクリプション型サービス」も提供を予定。課金管理を単純化し、小規模用途では迅速に開発できて短期で解約できる従量課金を、基幹システムのモダナイゼーションのような長期利用では月額固定を利用できるという。

デリバリーモデル:プレフィックス型サービス
デリバリーモデル:サブスクリプション型サービス