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Zuora Japan、サブスクリプションビジネスの収益化を支援する新サービス
日本企業のサブスクリプションエコノミーでの成功を支援
2021年9月30日 11:16
サブスクリプション管理プラットフォームを提供するZuora Japan株式会社は29日、新ソリューションの発表および今後のプロダクト戦略に関する記者説明会を開催した。
説明会では、日本の企業や組織がサブスクリプションエコノミーで成功するためのソリューションとして、新たに統合収益化ソリューション「Unified Monetization」、回収ソリューション「Zuora Collect」、収益認識自動化ソリューション「Zuora Revenue」をリリースことが発表された。
新ソリューションの発表にあたり、Zuora Japan 代表取締役社長の桑野順一郎氏は、国内のサブスクリプション動向について、「国内では2015年ごろからサブスクリプションがブーム的に広がったが、現在はそれが終わり、『モノ』が売れない時代を迎える中で、プロダクト販売モデルでの成長に限界を感じる企業が、サブスクリプションエコノミーへのビジネスモデルのシフトを加速している。これは、特定の業界に限ったことではなく、製造・ヘルスケアから証券・銀行、メディア、電力・ガス、音楽、教育、クラウド・ソフトウェア、通信・コミュニケーションまで、あらゆる業界でサブスクリプション化の動きが進んでいる」と説明。
こうした背景を踏まえ、「国内企業のサブスクリプションビジネス収益化へ向けて、今後さらに重要となる、as a service(サービス化)へ向けた物販との融合や、新収益認識基準に準拠したサブスクリプションの収益認識などの課題に対応するべく、新たなソリューションをリリースする」(桑野氏)とした。
今回発表した新ソリューションは、統合収益化ソリューション「Unified Monetization」、回収ソリューション「Zuora Collect」、収益認識自動化ソリューション「Zuora Revenue」で、これらにより、すべての企業がサブスクリプションエコノミーへ参加することを促進していく。
各ソリューションの概要として、統合収益化ソリューション「Unified Monetization」では、サブスクリプションサービスに加えて、プロダクト販売、および利用した分だけ課金を行う利用量ベースのサービスを統合し、あらゆるものをサービスとして収益化することが可能となる。
米Zuora チーフプロダクト&エンジニアオフィサーのSri Srinivasan氏は、「現在、プロダクト販売主体の企業は、自社のプロダクトを新たにサブスクリプションサービスで提供しようとしている。一方、サブスクリプションサービス主体の企業では、プロダクト販売のようなワンタイムのオファーを含めることで、サブスクリプション利用者(サブスクライバー)との関係性の醸成や強化を目指している。しかし、異なるプラットフォーム上のサービス、プロダクトの収益化はコストが増加し、効率的ではないのが実情だ。この課題に対して、『Unified Monetization』では、サブスクリプションサービスにとどまらず、プロダクト販売や利用料ベースも統合した収益化プラットフォームを提供する」としている。
「Unified Monetization」を活用することで、例えば、バーチャル会議のライセンスとウェブカメラやインストールサービスを統合した「Telecommunication as a Service」、電気自動車(EV)とEV充電サービスを統合した「Mobility as a Service」、ストリーミング動画とライブイベントのチケットを統合した「Contents as a Service」などのサービスを実現できるという。
回収ソリューション「Zuora Collect」は、数十億ドルもの取引データを取り込んだ機械学習と、Zuoraの10年間にわたるサブスクリプションエコノミーの専門知識を活用し、再請求をする最適なタイミングを自動化するソリューション。これにより、企業のサブスクリプションサービスによる利益を最大化できるよう支援する。
「『Zuora Collect』では、35以上のペイメントゲートウェイ、20以上の支払い方法に対応し、世界中のどの地域でも支払いを回収できる。『Zuora Collect』を導入した企業は、未回収の請求に対して最大20%の回収率向上を実現している。また、解約リスクを最小化し、ネットリテンションを最大13%向上している」(Srinivasan氏)という。
収益認識自動化ソリューション「Zuora Revenue」は、サブスクリプションビジネスの拡大により複雑性を増す企業の収益認識プロセスを自動化するソリューション。サブスクリプションやプロダクト、サービス、利用など、あらゆるマネタイズモデルの収益認識に対応している。また、国際会計基準IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」への対応に加え、日本でも今年4月から適用開始された「収益認識に関する会計基準(新収益認識基準)」に対応。これにより、企業はリアルタイムで収益を認識し、コンプライアンスリスクを最小限に抑え、ビジネス上の意思決定による収益への影響をより正確に予測可能となる。「Zuora Revenue」は、2022年初旬ごろから、日本での提供開始を予定している。
なお説明会では、このほかに、「Microsoft Power BI」を組み込んだサブスクリプションウェアハウスと収益分析機能を2022年初旬にリリースする予定であることも発表した。これにより、サブスクライバーのエンゲージメントと収益状況をリアルタイムで可視化・分析することが可能になるという。