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Zuora、サブスクリプション管理プラットフォームを発表 「日本のサブスクリプションビジネスは世界2位」とCEO
2019年10月17日 06:00
Zuora Japan株式会社は16日、サブスクリプションビジネスを管理する新プラットフォーム「Zuora Central Platform」を発表した。これにより、Zuoraのサービスと各企業が持つ基幹システムなどとのインテグレーションが容易になり、サブスクリプションのカスタマイズや拡張が、単一プラットフォーム上で実現するという。
米Zuora 創業者兼CEOのティエン・ツォ(Tien Tzuo)氏は、「日本のサブスクリプションビジネス市場は、米国に次いで世界で2番目に大きい。また、アジア太平洋地域のサブスクリプション企業の収益成長は、日経株価指数を大きく上回っている」と指摘、日本で同プラットフォームを展開する背景を語った。
Zuoraはこれまで、サブスクリプションの請求管理サービス「Zuora Billing」や、収益を管理する「Zuora RevPro」といったサービスをクラウドアプリケーションとして提供してきた。
こうしたアプリケーションと各社システムとの連携は、顧客企業が独自にAPIを利用して開発していたというが、「ビジネスニーズの多様化に対応するため、Zuora側で中核となるプラットフォームを提供し、サブスクリプションビジネスの収益化やバックオフィス業務の自動化ができるようにした」と、Zuora Japan セールスコンサルティングディレクターの竹内尚志氏は説明する。
Zuora Central Platformには、プログラミングなしにドラッグ&ドロップにてビジネスプロセスの作成や展開が可能となる「Workflow Builder」が備わっており、条件付きのロジックやルールを活用してワークフローをカスタマイズし、プロセスを自動化できるという。
また、これまでZuoraのアプリケーションで定義されていた「クレジットカード決済が失敗した場合」といった一般的なイベントのみならず、各社で自由にイベントを定義できる「Events」機能も備わっている。
さらに、SQLを使ってZuora内のデータを抽出し、ほかのシステムと連携しやすくする「Data Query」も用意。「オブジェクトとオブジェクトの結合を独自に組み立てることが可能になるため、欲しいクエリを1回で取り出せる。これはインテグレーションにおいて重要な要素だ」と竹内氏は述べている。
OwnershipからUsershipへ
ツォ氏は、Harris Internationalによる「End of Ownership(所有の終焉)」に関する調査から、「57%の人が所有するモノを減らしたいと考えており、74%の人がサブスクリプションを今後より多く利用すると答えている。それは、モノを持つことは負担であり、モノを持たないことによって自由が手に入るからだ」と説明。新聞の購読者が減る一方で、ニュースを読む人は増えていることや、米国での車の所有台数は減少傾向にあるものの、走行距離は増えていることなどもその一例だとする。
こうしたことから、「Ownership(所有)からUsership(利用)へと時代が変わってきている」とツォ氏は主張、サブスクリプションビジネスが成長している背景を語った。
Zuora Japan 代表取締役社長の桑野順一郎氏によると、日本では製造業やメディア分野にてZuoraの導入が進んでおり、中でも「国内複合機メーカーでは、トップ5のうち4社がZuoraを採用している」という。
このことから、同社では販売サポート体制を強化する予定で、「(Zuoraの2020年度末となる)2020年1月までに人員を130%増員するほか、これまでの直販に加えてアライアンスを強化し、コンサルティング企業との協業を進める」としている。