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メニコン、Service Cloudでコールセンターシステムを統合し問い合わせ対応に要する時間を短縮

新システム開発をテラスカイが支援

 株式会社テラスカイは17日、株式会社メニコンが、会員134万人の「メルスプラン」を含む3つのコールセンターにおいて、CRMを統合・刷新したと発表した。Salesforce Service Cloudと複数システムを連携させることにより、業務内容が異なるセンターでも共通基盤を通じてニーズに適合できる、総合的なコールセンターシステムを実現したとのこと。なおテラスカイは、開発支援パートナーとしてメニコンの取り組みを支援した。

 メニコンのコールセンターでは、従来、それぞれが個別最適化されたCRMシステムを利用し、顧客データや取引先データの管理を行っていた。その一つである「メルスセンター」では、コンタクトレンズとケア用品のサブスクリプションモデル「メルスプラン」の会員、約134万人からの問い合わせに対応しており、部門を横断した情報共有の必要性が急速に増したにもかかわらず、センターごとに情報が分断されているため、折り返しの回答に時間がかかってしまっていたという。

 そこでメニコンでは、メルスセンターで利用していたOSが2020年にサポート終了することにあわせて、その上で稼働していたCRMアプリケーションのリプレースを計画。3つのセンターで利用可能な、顧客情報を統合管理できるシステムの開発に取り組んだ。

 その移行プロジェクトは2019年8月から開始され、途中、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3カ月程度の中断を挟みつつも、2020年9月より新システムの運用が開始されている。

 新システムでは、センターを起点としてビジネスに貢献していくことを前提に、営業部門で活用されているSalesforce Sales Cloudとあわせて、Service Cloudを採用。Service Cloudのナレッジ、メールtoケース、自動化プロセス、掲示板といった機能を活用し、オペレーターが迷わず、顧客とコミュニケーションできる仕組みを整えたとのこと。

 一方で製品情報、販売管理については、社内のほかの基幹システムで管理をしているため、データ連携基盤「DataSpider Cloud」を介して、Salesforceに必要情報を連携している。

 こうして、すべてのセンターがSalesforce上に回答や各種情報を集約するようになったため、他部門に関する情報においても連携が取れるようになり、対応を完了するまでの時間が短縮された。さらに、紙資料の約8割が削減されたとのことで、チームによっては100%のペーパーレスが実現されている。

 なおメニコンでは、システムの開発終了後も、Salesforceのローコード/ノーコード開発環境を生かして、レイアウトやビューの配置変更、表示項目の追加といった変更を、継続的に自社で行っている。ユーザーのフィードバックに基づき変更をすることで、新システムの利用促進に効果を上げているとのことだ。現在はさらに、LINEとWebチャットの問い合わせ対応に向けた開発を行っており、2021年10月の実装が予定されている。