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セールスフォース、カスタマーサービスクラウド「Service Cloud」の次世代版を発表

 米Salesforce.com(以下、セールスフォース)は21日、カスタマーサービスクラウド「Service Cloud」の次世代版を発表した。Service Cloudの新しい機能により、在宅、現場、そのハイブリッドモデルで働くエージェントの支援が、単一のプラットフォームで提供可能になるとしている。サービスの日本での一般提供の時期は未定。

 セールスフォースでは、多くのコンタクトセンターのリーダーが、在宅やハイブリッドでの就労環境を維持しようと計画しており、一度に1件の問い合わせにのみ対応しながら、デスク越しに同僚や上司の支援を求めるという働き方は過去のものとなったと説明。新型コロナウイルスの流行により、どこからでも優れたカスタマーサービスを提供できることが求められているとしている。

 「Service Cloud Voice」では、電話による音声での問い合わせ、デジタルチャネル、CRMデータがサービス担当者向けに1つのビューにまとめられる。担当者の画面には、リアルタイムのコールトランスクリプションや、AIによって推奨されるネクストステップが表示される。さらに、「Service Cloud Voice for Partner Telephony」を活用して、既存の電話システムをService Cloud Voiceに接続できる。これらにより、電話口のエージェントとデジタルチャネルをまたいで、迅速でスマートかつ、パーソナライズされた顧客体験を提供できるとしている。

 また、たとえば小売店では店頭での人の出入りが少なくなっているため、店舗で働いていたスタッフが、コンタクトセンターで顧客からのデジタルなリクエストをサポートするための能力やトレーニングが求められるなど、こうした新しい環境では、適切なスキルを持ったサービス担当者が、適切な顧客と適切なタイミングで会話をすることが、これまで以上に重要になってくると説明。

 こうした課題に対し、「Service Cloud Workforce Engagement」は、人工知能を利用して、サービスリーダーがコンタクトセンターに寄せられる電話、メール、ウェブチャット、SNSを介したテキストなどの問い合わせのボリュームや、チャネルを予測できるようにする。

 サービス部門のリーダーは、スタッフのニーズをインテリジェントに計画し、担当者のスキル、空き状況、シフトの希望に基づいて業務をマッチングできる。サービス担当者は、データを統合した単一のワークスペースを利用できるだけでなく、Service Cloudに直接統合されたオンライン学習プラットフォームの「myTrailhead」を利用して、どこからでもリアルタイムのコーチングやオンデマンドのトレーニングを受けることができる。

 また、セールスフォースでは、外食産業や製造業、衛生業、公益事業などの分野においては、エレベーターのメンテナンス、職場復帰に伴う照明や空調設備、コンサート会場やスポーツ会場、空港、美術館など、インフラやサービスに対する需要の急増に備えて、フィールドサービス管理「Salesforce Field Service」の利用が増加していると説明。ビジネスの再開後も、対面でのコミュニケーションを制限し、従業員の健康と安全を優先する企業にとって、信頼できる効果的な視覚的サポートを提供することは、重要な施策になるとしている。

 こうした課題に対しては、フィールドサービス担当者が「Visual Remote Assistant」を活用することで、現場での作業時間を短縮できると説明。Visual Remote Assistantは、技術者やエージェントがビデオサポートを通じて、顧客が見ているものを把握できるため、複雑な問題をどこからでも解決できるとしている。