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NEC、光ファイバーから検知した振動を分析してインフラ保全に貢献するセンシングソリューションを発売

 日本電気株式会社(以下、NEC)は30日、主に通信事業者や光ファイバー所有者などを対象に、世界中に張り巡らされた光ファイバーをセンサーとして活用可能なソリューション「NEC Intelligent Optical Fiber Sensing Solution」を販売開始した。

 NEC Intelligent Optical Fiber Sensing Solutionは、既に敷設されている通信用光ファイバーからのセンシングを可能とした、NECの光ファイバーセンシング技術を活用したもの。光ファイバーの片端に取り付けるセンシング装置に加えて、ファイバーに異常を加える可能性がある振動や外部環境を検知する機能やファイバーの緯度経度などの位置情報を元に地図上に正確に表示するマッピング機能などを有したソフトウェアで構成される。

 ファイバーから検知した振動を、AIを活用して分析することで、ファイバーを切断する可能性のある建設機械の振動源などを自動で検知できる。これにより、工事などによるいつもとは違う振動を把握して、偶発的なファイバー損傷の予防を実現する。

 ファイバーの正確な位置情報を地図上にマッピングできるため、ファイバーに損傷などの異常が起きた際に、迅速に損傷箇所を特定できる。これにより、異常を検知した際は、リアルタイムでオペレーターにアラートが通知され、地図上で異常箇所を見つけることが可能となり、オペレーターから作業員への正確な指示による無駄のない修繕作業を支援する。

ソリューションイメージ

 NECはこれまで、光ファイバーセンシング技術を活用した電柱のひび割れの検知や、米Verizon Communications(以下、ベライゾン)と道路の交通状況把握などの交通モニタリングの共同実証を実施し、有効性を確認している。今回のソリューションについても、ベライゾンのフィールドで実証を実施しており、有効性を確認しているという。

 NECでは今後、ソリューションの適用範囲を広げ、既存ファイバーを活用した広域モニタリングにより取得した情報をスマートシティに活用するなど、さまざまな領域における価値創造を目指すとしている。

 NEC Intelligent Optical Fiber Sensing Solutionの価格は3000万円。標準構成には、センシング装置一式、年間ライセンス費、クラウド構築費を含む。NECでは2025年までに30社以上、売上100億円以上を販売目標とする。