ニュース
凸版印刷、製品向けID認証プラットフォームを中国市場で提供
2021年5月19日 10:00
凸版印刷株式会社は18日、製品に付与する固有IDを通じて顧客との接点を構築し、サプライチェーン管理を可能とするクラウド型ID認証プラットフォームについて、中国市場向けのサービス提供を5月より開始したと発表した。
提供するプラットフォームは、ベルギーSelinkoのNFCに対応したID認証システム基盤技術と、凸版印刷のIDデバイス技術を融合。製品に付与されたQRコードやNFCタグ、UHF帯のRFIDなどのIDデバイスを、消費者のスマートフォンや製造工場、物流倉庫の読取装置で読み取ることで、利用企業は商品情報の提供や真贋判定、デジタルプロモーションなどの顧客サービスの提供と、収集したデータを活用したトレーサビリティ管理や不正流通の監視など、サプライチェーンの管理が可能となる。
また、プラットフォームと運用サポート体制を中国に構築することにより、企業は中国国内のサーバー上でID認証システムを運用し、安定した顧客サービスを中国市場に提供することが可能となる。
プラットフォームでは、ICチップによって異なるさまざまな暗号化アルゴリズムや、読み取りごとに変わる演算結果を、クラウド上で判定するID認証方式に対応。企業は、プラットフォームを活用することで、システムの更新や維持の負荷なく、常に最新のセキュリティ技術に対応したID認証機能を利用できる。
企業は、プラットフォームが提供するID認証機能を活用することで、商品情報の提供や真贋判定、デジタルプロモーションなどの顧客サービスを提供できる。また、収集したデータを表示・分析するダッシュボード機能も備え、製品のトレーサビリティ管理や不正流通の監視などサプライチェーンの可視化や、新たな顧客価値の創造にも活用できる。
プラットフォームには、ほかのソフトウェアやアプリケーションにデータ連携できるAPIを搭載。企業は、自社のサービスプラットフォームにID認証機能を容易に組み込むことができ、安全なサービス環境を構築できる。また、企業が保有するERP、CRM、トラック&トレースなど、既存の情報システムへの連携にも対応する。
QRコードやNFCタグ、UHF帯のRFIDなどの標準的なIDデバイスだけでなく、開封検知、再利用防止、金属対応、温度管理などの機能を搭載した機能性IDデバイス、IDデバイスが一体化されたスマートパッケージの提供も行っており、プラットフォームのID認証機能と組み合わせることで、企業のさまざまなニーズに対応したソリューションの提供にも対応する。
凸版印刷では、中国国内に構築したID認証プラットフォームを活用したID認証サービスを、化粧品をはじめ、医薬品、日用品などに対し、販売を拡大。2025年までに関連受注を含め、約20億円の売り上げを目指す。