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凸版印刷、セキュアIoTを実現する「トッパンセキュアアクティベートサービス」を提供開始

 凸版印刷株式会社は8日、暗号鍵・証明書のネットワーク配信や工場書き込みでの管理により、IoT機器および接続するクラウドへの安全な通信を実現する、機器メーカーやIoTサービス提供企業向けのサービス「トッパンセキュアアクティベートサービス」の提供を開始した。

 トッパンセキュアアクティベートサービスは、IoT機器自体の重要データを保護する組み込み型ICチップの提供と、IoT機器がクラウドへ接続するための暗号鍵・証明書の配信を一括管理するサービス。IoT機器の初回起動時から、クラウドへ接続を行う運用、廃棄までのライフサイクル全体で通信環境におけるセキュリティを高め、データの盗難や改ざん、乗っ取りなどの攻撃を防止し、安全な接続・有効化(アクティベート)を実現する。

 凸版印刷の金融系ICカードを取り扱うセキュリティ性の高い工場で、IoT機器に対する個別ID、信頼性を担保する証明書の生成、証明書内に含まれる通信データを暗号化するための暗号鍵情報を、組み込み型セキュアICチップへ発行する。IoT機器にICチップを搭載することで、サーバーからの暗号鍵、証明書の発行・更新・削除などの情報の安全な受け取りと、ライフサイクル管理が可能。また、接続先のクラウドにもサーバーから証明書と鍵を配信し、IoT機器とクラウド間の安全な通信を担保する。

 これにより、IoT機器の初回起動時からクラウドへの安全な接続が実現できる。また、IoT機器への暗号鍵・証明書の発行・更新・削除などをサーバー上で一括管理することにより、機器ごとに証明書を個別管理する手間を軽減する。

 サーバーから発行したIoT機器の個別IDを、クラウド型統合ID認証サービス「ID-NEX」と連携することで、IoT機器のトレーサビリティなど、物理的な機器のライフサイクル管理も可能。生成したIDをICタグやQRコードで商品に貼付し、それをスマートフォンなどで読み取るだけで、クラウドサーバー上に情報を蓄積。IoT機器の通信環境の保護に加え、機器の製造・物流・保管から販売までのライフサイクル管理や真贋判定、またユーザー登録やキャンペーン応募など、マーケティング活用による顧客コミュニケーション情報の一元管理を実現できる。

 トッパンセキュアアクティベートサービスの価格は、初期導入費用が100万円から、アクティブ数課金システムが月額10~200円(機器1台あたり)、管理運用費が月額5万円から。凸版印刷では、サービスを機器メーカーやIoTサービス提供企業などに向けて拡販し、2021年に関連受注含め約10億円の売上を目指す。

 また、トッパンセキュアアクティベートサービスは、オープンソースのセンサープロジェクト「Degu(デグー)」に対応し、セキュリティサービスとしてDeguセンサーに搭載しているセキュア・エレメントに対応する。Deguプロジェクトは、株式会社アットマークテクノを中心に3月15日に発足したオープンソースプロジェクトで、凸版印刷はDeguプロジェクトへ新たに参画し、スポンサーとして技術協力を行う。