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アルテリア・ネットワークス、データセンター事業の一部をデジタルエッジ・ジャパンに譲渡

 アルテリア・ネットワークス株式会社は3月31日、データセンター事業の構造改革の一貫として、デジタルエッジ・ジャパン合同会社との間で業務提携を行うと発表した。この提携に伴い、データセンター事業の一部譲渡、固定資産の譲渡および賃借(セール・アンド・リースバック)を行う。

 アルテリア・ネットワークスは、全国に光ファイバーを保有し、この光ファイバーネットワークを活用してさまざまな通信サービスを提供している。データセンターに関連するサービスとしては、データセンター事業者向けの専用線サービスと、国内6カ所でデータセンター(ブランド名:ComSpace)を展開し、法人向けにハウジング/コロケーションサービスなどを提供している。

 アルテリア・ネットワークスでは、日本各地でデータセンター事業者による大規模データセンターの新規建設や計画が進んでおり、こうしたデータセンター事業者と連携して通信サービスの拡大を進めているが、一方で自社保有するデータセンターは比較的小規模であり、今後データセンター事業を拡大するためには、クラウドサービス事業者からのニーズが高い大規模データセンターと組み合わせての展開が必要と考えていたという。

 こうした状況の中、日本を含むアジア諸国において大規模データセンタープラットフォームの開発を進めるデジタルエッジ・ジャパンから、アルテリア・ネットワークスが保有するデータセンターに関して事業譲渡の依頼を受けたと説明。

 アルテリア・ネットワークスとしても、データセンターの維持更改に関わる設備投資資金を、優位性を有する通信ネットワーク事業など、同社の成長に資する分野への投資に振り向け、データセンターについては同社へ譲渡する方が、データセンター利用者にとってもメリットが大きいと判断し、デジタルエッジ・ジャパンと業務提携を行い、保有するデータセンター「ComSpaceⅡ」の運営に関する事業を、デジタルエッジ・ジャパンに譲渡することを決定したとしている。

 この業務提携により、アルテリア・ネットワークスはデジタルエッジ・ジャパンの主力パートナーとして、デジタルエッジ・ジャパンおよび同社の顧客向けに通信サービスを提供していく。なお、ComSpaceⅡを利用中の顧客には、今後順次同意を得た上で、段階的な譲渡を予定するとしている。

 また、アルテリア・ネットワークスではこれと合わせて、データセンター「ComSpaceⅠ」にかかる保有資産(土地・建物・機械設備一式)についても、デジタルエッジ・ジャパンに譲渡することを決定した。ただし、ComSpaceⅠはアルテリア・ネットワークスの基幹ネットワークのインフラとしても利用しているため、譲渡とともに、かかる資産について賃借契約を締結し、設備更改・運営はデータセンター事業を専業とするデジタルエッジ・ジャパンに任せることで効率化を図りつつ、アルテリア・ネットワークスが引き続きデータセンターサービスを提供していく。

 アルテリア・ネットワークスでは今後、譲渡対価およびデータセンターの維持更改のため予定していた設備投資資金を、成長に資する分野へ振り向けることで、経営資源の選択と集中を進め、事業の拡大を加速していくとしている。