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日立、AI画像解析による「高速人物発見・追跡ソリューション」にマスク着用検知など新機能を追加

新型コロナウイルスへの対応に向けた機能などを拡充

 株式会社日立製作所(以下、日立)は25日、日立が独自開発したAI画像解析技術を活用し、防犯カメラなどの映像から、全身の特徴を使って特定人物を高速に発見・追跡できる「高速人物発見・追跡ソリューション」について、新型コロナウイルスへの対応に向けた機能などを拡充し、販売を開始した。

 高速人物発見・追跡ソリューションは、数万人規模の映像データから約1秒でターゲットを見つけることが可能な「高速検索」により、多数の監視カメラからターゲットを追跡できる「リアルタイム追跡」を特徴とするソリューション。ライブ映像と録画映像の双方を取り込み、膨大な蓄積映像から高速に特定して行動履歴を解析し、大規模な公共空間における高効率なセキュリティ業務を支援する。

マスク着用やソーシャルディスタンスの検知イメージ

 今回のソリューション強化では、新型コロナウイルス感染症への対策支援として、マスク画像を学習した画像解析モデルによりマスクの着用有無を検知する「マスク検出ビュー」や、映像内で検知された人物の位置を座標情報として検知して人物間の距離を分析する「ソーシャルディスタンス検知」、サーマルカメラシステムと連携して発熱者を検知する機能を拡充した。

 これらの機能により、新型コロナウイルスの感染対策状況やウイルスの飛散リスクを複合的に可視化することで、注意喚起など迅速に対処できるほか、感染者を検知した場合、対象者の施設内での行動履歴を確認することで、濃厚接触者の早期発見や消毒必要箇所の優先順位付けなどが可能となり、クラスターなどの二次被害の抑制を支援する。

 また、車両の特定による安全な道路交通の支援として、交通事故発生時などに対象車両の色やタイプ(四輪または二輪など)を指定することで、膨大な検索対象画像データから、高い精度での車両の特定・追跡を実現する機能を追加した。

 これらの機能強化に合わせて、ソリューション全体の抽出精度の向上も図った。ソリューションで新たに採用する学習済みのモデルは、マルチモーダル深層学習基盤が有する、高精度な特徴量抽出のための学習モデルにて作成されており、このモデル採用により、膨大な検索対象画像データの中から、より高い精度でのターゲットの特定を実現する。

 ソリューションは海外にも展開し、海外向けにはHitachi Vantara(以下、日立ヴァンタラ)から提供を行う。日立ヴァンタラが提供する、監視カメラなどのデータの一元管理や可視化を実現するソリューション「Hitachi Visualization Suite(HVS)」と組み合わせ、特定した人物や車両の行動を地図上で可視化するなど、両社の連携ソリューションにも対応する。

 ソリューションの価格は個別見積もり。日立では今後、社会情勢の変化や市場のニーズに対応し、継続してソリューションの機能強化を図るほか、国内においてもHVSとの連携ソリューションの展開を計画するなど、大規模な公共空間における安心・安全に向け、さまざまなリスク管理やセーフティー業務を支援・高度化するソリューションを展開していくとしている。