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AIで特定人物を発見・追跡――、日立が映像解析の新ソリューションを提供

100項目以上の全身特徴を利用し、顔を識別できなくとも発見可能に

 株式会社日立製作所(以下、日立)と株式会社日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)は4日、日立が開発したAI画像解析技術を用いて、駅・空港・商業施設・公共機関などの監視・警備の業務効率化と高度化を支援する「高速人物発見・追跡ソリューション」を、日立産業制御が提供すると発表した。10月7日の販売開始を予定している。

 高速人物発見・追跡ソリューションは、防犯カメラなどの映像に映る人物の中から、性別、年齢層、服装など100項目以上の全身特徴を利用し、特定人物を発見可能なソリューション。後ろ姿など顔の映らない映像からでも、100項目以上の全身特徴を高速に判別しデータベース化する機能を備えており、数万人規模の映像解析データに対して、1秒以内で特定人物を検索・発見できる高速性を備えている。

 また、カメラの位置情報や撮影時刻から、特定人物の足取りを経路として表示することも可能だ。

 このソリューションを利用すると、駅や空港、商業施設での不審者や迷子の早期発見が可能。加えて、警察や自治体などの公共機関において行われている、防犯カメラ映像の目視による監視や記録映像の確認といった業務の負荷軽減・効率化と、警備の高度化を支援するとした。

 なお、日立産業制御が提供する「フィジカルセキュリティ統合プラットフォーム」上に、「高速人物発見・追跡機能」として実装されるので、同プラットフォーム上で提供されている「エリア侵入検知」「荷物置き去り検知」といった各種検知機能と組み合わせると、特定インシデントの検知から特定人物の発見・追跡まで、監視業務を一元的に支援できるとしている。

 さらにセキュリティ分野以外でも、工場や物流現場における作業者、商業施設・公共施設における来場者の行動分析など、産業、小売・流通、公共といったさまざまな分野への応用も期待できるとのこと。

 また海外に対しても、Hitachi Vantara(日立ヴァンタラ社)を中心として、この製品を活用したソリューションを提供する考えだ。