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日立、AI映像解析技術で監視・警備業務を高度化するソリューションを強化

発見・追跡対象を人物から荷物などにも拡大、特定行動の検知にも対応

 株式会社日立製作所(以下、日立)は4日、独自のAI映像解析技術で検索対象人物を高速に発見・追跡できる「高速人物発見・追跡ソリューション」に2つの新機能を追加し、監視・警備業務を高度化するソリューション「Hitachi Multifeature Video Search」(以下、MVS)として提供開始すると発表した。

 高速人物発見・追跡ソリューションは、防犯カメラなどの映像に映る人物の中から、性別、年齢層、服装など100項目以上の全身特徴を利用し、特定人物を発見可能なソリューション。今回は、発見・追跡の対象範囲を人物だけでなく車両や荷物などにも拡大したうえで、海外市場で用いてきたMVSと同一名称に変更し、国内市場で提供開始するという。

 今回実装される新機能は、防犯カメラの映像から、特定の行動パターンをとる人物をリアルタイムで検知する「行動検知機能」と、荷物と人物の所有関係を認識する「荷物置き去り/持ち去り検知機能」の2つ。これらを利用すると、大規模な公共空間におけるけんかなどのトラブル、置引や不審物などの早期発見が可能になるとした。

 前者の行動検知機能では、MVSに取り込んだ映像から、人物の骨格情報を読み取り、その骨格の動きをもとに人物がどのような行為をしているかを解析して、アラートを発報する。

 骨格の形状や各関節点の動きの変化などの情報を用いることで、対象人物の向きや背景、服装などによる見え方の違いの影響を軽減し、高精度な検知を実現できる点が特徴で、9種類の特定行動(走る・しゃがむ・倒れる・蹴る・殴る・指をさす・見回す・立つ・歩く)の検知に対応した。

 日立では、「殴る」「蹴る」といった暴力行為をしている人物や、周囲を「見回す」動作を続けている不審人物、迷子の子どもなどを早期に発見できるとしている。また、骨格の情報を事前にAIへ学習させれば、9種類以外の行動を検知にも対応するといのこと。

 一方、後者の荷物置き去り/持ち去り検知機能では、MVSに取り込んだ映像から、荷物の置き去りや持ち去りを検知し、アラートの発報を行える。荷物と人物の所有関係をひも付けて認識することで、置き去り前後の移動経路や行動把握、荷物を持ち去った人物の追跡も可能だ。

 また、従来、荷物の所有関係は人と荷物との距離で判定していたが、この機能では「キャリーケースをつかんでいる」「リュックを背負っている」など、荷物所有時の画像上の特徴をあわせて深層学習することにより、高精度な判定を行えるという。

 なお日立では、阪神電気鉄道株式会社(以下、阪神電鉄)の協力のもと、阪神甲子園球場において実証実験を2021年10月より行ってきた。これまでの実証では、約9割の精度で検索対象人物を発見でき、事件や事故、迷子などの発生時において、警備員による迅速な対応を支援できることを確認したとのこと。警備業務への本格導入時は、検索対象人物の発見・追跡に要する時間を最大8割程度短縮できると見込んでいる。

 日立はこのソリューションを通じ、駅や空港、球場や大規模商業施設などにおける、監視・警備業務のさらなる高度化や効率化を支援したい考えだ。