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IIJ、企業ネットワークとOCI間の閉域網接続サービスを提供 マルチキャリアの冗長接続や東西でのDR構成にも対応
2021年3月15日 13:11
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は15日、ユーザー企業のサイトとOracle Cloud Infrastructure(OCI)間を、IIJの専用プライベートネットワークを介して閉域網で接続する「IIJクラウドエクスチェンジサービス for Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」を発表した。同日より提供開始する。
「IIJクラウドエクスチェンジサービス for Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」は、IIJのバックボーン上に各ユーザー企業専用のネットワークを構築する「IIJプライベートバックボーンサービス」を経由し、Oracleの閉域網接続サービス「FastConnect」を利用可能にするサービス。ユーザー企業はこのサービスを利用することにより、自社ネットワークとOCIを高い閉域環境で接続できるという。
接続形態は、OCIのIaaSを利用するための「プライベートピアリング」と、オブジェクトストレージなどのPaaSを利用するための「パブリックピアリング」の2つがあり、同一の閉域環境で両方の接続を併設することも可能だ。なお、パブリックピアリングの利用に必要となるNAT機能もサービスとして提供するため、ユーザー企業側では、自社のネットワーク環境におけるNAT機能のためのゲートウェイ設備は不要とのこと。
さらにIIJネットワークとOCI間は、耐障害性を考慮した異ルートおよびマルチキャリアでの冗長構成となっており、OCIへの安定した接続性を提供できる点も特徴。東京・大阪の両リージョンでサービス設備が運用されており、企業の要望に応じて、DR対策として東西での冗長構成を採ることもできる。
加えて、IIJプライベートバックボーンサービスへのアクセスポイントは、北海道から九州まで全国11拠点に用意され、最寄りのアクセスポイントまで低コストでの接続に対応する。アクセス回線も、主要な複数キャリアのものに対応し、マルチキャリアによる信頼性の高いネットワークを構築可能とした。
なおIIJでは、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」や、Microsoft Azure、Microsoft 365、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)など、マルチクラウドでの閉域接続に対応していることから、企業はOCIを含め、各クラウドの特性に応じて適材適所でサービスを選択し、業務に最適なマルチクラウド環境を柔軟に構築できるとアピールしている。
接続回線帯域は50Mbpsから2Gbpsまで対応するが、参考価格は、100Mbps帯域を利用した場合で月額21万7000円となる。別途、企業サイトからIIJネットワークまでの接続回線や接続機器、FastConnect利用料(1Gbpsで月額およそ2万円円)が必要になる。