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熊谷組とNECが実証実験、ローカル5Gを活用した無人化施工を検証

 株式会社熊谷組と日本電気株式会社(以下、NEC)は10日、自然災害現場等の工事現場における、ネットワーク対応型無人化施工を想定した実証実験を実施し、ローカル5Gを活用した4K映像の伝送、および重機模型のVR遠隔操作に成功したと発表した。

 NECの玉川事業場(神奈川県川崎市)に設置されたローカル5Gラボに仮想現場環境を用意し、実証実験が行われた。検証システムは、オペレータが装着するVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)、操縦席が取り付けられたモーションベース、360°カメラと加速度センサーが取り付けられた建設機械(本実証実験では重機模型で代用)で構成される。

 操縦席でHMDを装着したオペレータが建設機械を操作すると、遠隔操作された建設機械を通じて、4K/2K映像や傾き・振動など動きの情報を含むパケットが、ローカル5Gのネットワークを通じて、リアルタイムに遠隔操作座席へ転送される仕組み。また実験では、建設機械の映像をHMDに表示すると同時に、モーションベースにより建設機械の傾きや振動などの動きを再現している。

 こうして、低遅延かつ大容量な通信を可能とするローカル5Gを活用し、映像に加えて建設機械の傾きなど動きの情報を、高品質かつリアルタイムに伝送することで、建設機械を傾斜地などで運用する場合でも、実際の搭乗操作に近い感覚で遠隔操作が可能になることが確認されたという。

 両社では、ローカル5Gの基本的な伝送特性を考慮したこのような実証実験を行うことで、本番導入に向けた取り組みを加速していくとのこと。

ローカル5Gラボ内における実験の様子(重機模型操作中)