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NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」、新たな判定パターン「領域検出型」を搭載

基盤アーキテクチャを刷新し、より効率的な新サービスの展開を支援

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は13日、画像認識AI「Deeptector」の新版を提供開始したと発表した。アーキテクチャを刷新し、新たな判定パターン「領域検出型」を搭載している。

 Deeptectorは、深層学習(ディープラーニング)を利用した画像認識AIで、点検や検査など、人の「目」による判断をAIが代替することにより、業務課題の解決を図っている。

 また、画像認識AIの利用に必要な「教師データ作成」「学習」「判定」の一連の機能をGUIクライアントツールで提供しており、「物体検出型」「分類型」「レベル判定型」「正例判定型」の4つの判定パターンを利用してAIを作成できるが、今回の新版では、セグメンテーション技術を利用した「領域検出型」を新規追加した。

 「領域検出型」とは、多角形で対象物の形状に沿って囲み学習をさせることで、対象物の形状まで特定し検出する機能。物体の形状まで特定するため、背景や重なりによるノイズを最小限にできるという。さらに、パラメータをデフォルト設定しているため、専門知識がなくても精度向上が期待できるとのこと。

 さらに今回は、基盤アーキテクチャの刷新を行った。コンテナ技術を活用して、検証から商用化までの開発サイクルを大幅に軽減したほか、Deeptector標準搭載のディープラーニングエンジン(DLエンジン)に加え、利用者が新しいDLエンジンを簡単に追加できるようにしている。DLエンジンには、利用者独自の画像加工の前処理、後処理を追加可能だ(フック機能)。

 なおAPIの共通化により、DLエンジン追加に伴うアプリケーションの変更は不要で、異なるDLエンジンで作った学習済みモデルを組み合わせて利用することもできる。

 このほか、DeeptectorのGUIクライアントツールに、グラフや集計機能など、判定精度を視覚的に確認するレポート機能を拡充した。AI作成に必要となる教師データ作成、学習、判定をワンストップで行え、時間のかかるAIの精度向上作業を支援する。

 価格は要問い合わせ。領域検出型の利用には、有償のオプション契約が必要となる。