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NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」、少量の良品画像を学習して異常検知を可能にする「正例判定型」機能を提供

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は、画像認識AI「Deeptector」の新機能として、判定パターンに「正例判定型」を追加し、10月1日より提供開始すると発表した。また同時に、オンプレミス(インストール)型とクラウド型の間で、学習済みモデルを共通して利用できる新機能も提供するとのこと。

 Deeptectorは、NTTコムウェアの各技術で共通に利用されるAI技術をサービス化した画像認識AI。専門家の“目”に代わって利用できる、高度な画像認識AI機能を提供するという。

 従来、このDeeptectorによる画像認識の判定パターンとしては、「検出型」「分類型」「レベル判定型」を提供しており、ユーザーが要件に適した判定パターンを選択し、必要に応じて複数の判定パターンを組み合わせて利用している。

 一方で、従来のAI技術では、負例(異常状態、不良品)画像を大量に学習する必要があるものの、日本の製造業界では製品品質が高く不良品の発生頻度が低いため、十分な学習用画像を収集するのに時間を要してしまう点が、AI導入への課題になっていたとのこと。

 今回、新たに追加された判定パターンの「正例判定型」では、少量の正例(正常状態、良品)画像を学習することにより負例の判定が可能になるので、これまでより迅速かつ簡単に画像認識AIを利用できるようになった。

 NTTコムウェアでは、特に、不良品画像の蓄積が少量のケース、不良品の発生率が低いケース、同一の生産設備で多品種小ロットを製造するケースなどで有効と説明している。

 また従来のDeeptectorでは、クラウド版とインストール版の間で学習済みモデルの互換性がなかったが、今回、「学習済みモデルのポータビリティ」機能を提供。同一の学習済みモデルをクラウド版・インストール版の双方で利用可能にした。

 これにより、ハイエンドGPUを備えたクラウド版環境で生成した学習済みモデルが、ユーザー企業のサーバー上で動作するインストール版環境でも利用できるようになるため、学習済みモデルの更新頻度の高いケースでは、AI導入後の再学習時間を大幅に短縮できるという。

 同社は例として、同一の学習済みモデルを、全国各地の工場に設置したGPUサーバー上で利用するケースなどで有効とした。