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NTTコムウェア、画像認識AI「Deeptector」にアナログメーターの値を読み取る判定型を追加

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は25日、画像認識AI「Deeptector」に、アナログメーターの値を読み取る新しい判定型を追加し、10月26日から提供開始すると発表した。

 Deeptectorは、深層学習(ディープラーニング)を利用した画像認識AIで、点検や検査など、人の「目」による判断をAIが代替することで、業務課題を解決する。画像認識AIの利用に必要な教師データ作成、学習、判定の一連の機能を、利用企業の専用環境にインストールして利用する「インストール版」と、インターネット上で利用する「クラウド版」を提供している。

 Deeptectorではこれまで、「物体検出型」「分類型」「レベル判定型」「正例判定型」「領域検出型」の5つの判定型を提供してきたが、新たに「アナログメーター読み取り型」を追加。製造業の工場にある機器類のメーターや、プラントに大量にあるアナログメーターなどを主な対象としており、メーターの値を画像認識AIによりデジタル化することで、人手による設備保全・点検業務の負担を軽減する。

アナログメーターの読み取りイメージ

 また、AIの判定結果を生産設備・制御システムに送信して、自動的に業務制御を行う「業務連携アプリケーション(AP)」も合わせてサービスを提供する。

 AI判定結果のデータを扱うシステムと生産設備・制御システムは、通信プロトコルが異なるため、自動制御するにはそれらを仲介するアプリケーションが必要となる。「業務連携アプリケーション」は、多くの生産設備自動制御のデファクトスタンダードとなっているModbusなどに対応し、AIの判定結果を生産設備・制御システムなどに操作指示する、汎用的な制御信号に変換するため、人手を介さず自動的なオペレーションが可能となる。

アナログメーター読み取り・AI判定・自動制御の全体概要

 目視による点検を自動化することで、アナログメーターの読み間違い・見落としなどのヒューマンエラーを防止するとともに、作業員が検針・点検などのために危険箇所や遠隔地まで出向く必要がなくなるため、稼働削減とともに、人身事故撲滅に向けた効果も期待できると説明。さらに、人手による「定期」点検ではなく「常時」点検が可能となり、不具合を早く検知して対応可能になるなど、より高い品質での設備保全・点検業務が実現できるとしている。

 また、アナログメーターの読み取り値や画像をデータ化して保存することで、月次・年次やラインごと・ビルごとなど、長期トレンドの分析が可能になる。分析によりプロアクティブな設備保全や補修計画に反映、早期に生産ラインの点検・確認・調整することにより設備稼働率の維持、さらなる生産性向上・設備の有効利用につなげられるとしている。

 AIが判定した製品・設備の状況をもとに「業務連携アプリケーション」が自動的に判断し、生産設備や制御システムなどに対応した形式に変換した電気信号を送受信し、制御・操作を可能にすることで、人手を介さないノータッチオペレーションも実現可能となる。

 NTTコムウェアは今後、画像認識に加えて、センサーデータなど、他のデータとも組み合わせた総合的なAIサービスとしての拡充を図り、AIの幅広い普及による企業のデジタルトランスフォーメーションの推進に貢献するとしている。