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NTT Com、「東京第11データセンター」を提供開始

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は17日、同社の「東京第11データセンター(以下、東京第11DC)」を9月18日に提供開始し、東京におけるデータセンター供給能力を拡大すると発表した。

「東京第11DC」の外観イメージ

 東京第11DCは、東京都武蔵野市に立地し、サーバールーム面積約6250㎡(2600ラック相当)、電力容量21MWを供給。電力・空調・通信設備の冗長化、災害対策、充実したセキュリティなど、NTT Comのデータセンターサービスブランド「Nexcenter」が定めるグローバルで統一化された厳格な設備・運用基準に準拠する。

 ネットワーク環境については、東京都内近郊の既存のNTT Comデータセンターを接続した大容量・高速ネットワークリング「Nexcenter Connect Metro」を通じて、次世代インターコネクトサービス「Flexible InterConnect」の活用が可能。各種クラウド事業者の接続ポイントやインターネットの相互接続点であるIXが設置される、東京都内のNTT Comデータセンターにダイレクトに接続されるため、従来は東京都心のデータセンターの強みであった、セキュアなネットワーク接続性を、東京西エリアに位置しながら実現するとしている。

東京第11DCを軸とするネットワーク活用イメージ

 耐災害性の面では、東京第11DCは、活断層から離れ、液状化の可能性が低い武蔵野台地の強固な岩盤上に立地。建物は、東日本大震災や今後想定される南海トラフ地震クラスの巨大地震でも安心な免震構造を採用することにより、地震による建物や顧客機器への衝撃を抑えた安全な運用が可能。また、大雨や近隣河川の氾濫時でも浸水が極めて少ないエリアに立地するため、水害のリスクが低く、電力は変電所から2系統、通信ネットワークは3方向から引き込まれる。

 空調システムには、季節に応じて最も効率的な熱交換方式に切り替え可能な先進の間接蒸発冷却方式を導入したことで、従来の空調システムに比べて約60%の消費電力削減を実現。屋外設備と屋内の空調機を冷水配管で結ぶという従来方式と異なり、間接蒸発冷却方式は、屋内外設備が一体化した設計により、スペース効率を高め、サーバールームへの送風は冷却効率が高い壁面吹き出しとすることで、実効8kW/ラックメニューの高密度設置に対応する。

 また、顧客の要望に応じて、再生可能エネルギーによるグリーン電力供給を実施する。これにより、地球環境負荷が低減された電力を利用できる。

 NTT Comでは、2019年の国内コロケーション市場規模は約5470億円、データセンター市場全体の成長率は約7.8%と堅調な成長が続いており、特にクラウドサービスをはじめとするハイパースケール事業者からの旺盛なホールセール需要と、堅調なエンタープライズ需要が続いていると説明。さらに今後は、コロケーションとマルチクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド用途のデータセンター利用が拡大する見込みで、NTT Comでは2018年4月に「東京第10データセンター」を開設したが、さらなる需要に継続して応えるため、東京に新たなデータセンター拠点を拡大するとしている。