ニュース
SRA OSS、PostgreSQL 17ベースの商用版DB「PowerGres V17」を提供 AI連携機能や監査機能を搭載
2025年6月30日 09:00
株式会社SRA OSSは27日、オープンソースデータベース「PostgreSQL」と完全互換の商用版「PowerGres」において、新版「同 V17」を販売開始したと発表した。
PowerGresは、PostgreSQLにデータベース操作ツールやサポートなどを追加した商用製品。「PostgreSQLをより使いやすく」、「PostgreSQLをより安心して使う」、「PostgreSQLに安心のサポートを」という3つのコンセプトのもとで開発されているという。
今回は、Windows向けの「PowerGres on Windows」と、Linux向けの「PowerGres on Linux」において、PostgreSQL 17をベースにした新版が提供開始された。
この新版では、AIと連携したベクトル検索機能「pgvector」「pgvectorscale」が追加され、AIで生成されたベクトルデータをそのままPowerGresで扱えるようになった(pgvectorscaleはPowerGres on Linuxのみの対応)。SRA OSSでは、類似検索や意味検索が高速かつスケーラブルに実現できることから、AIアプリケーションの開発がシンプルかつ強力になると、その効果を説明している。
また、システム操作の履歴を自動的に記録する監査機能「pgAudit」を新たに搭載しており、不正アクセスや誤操作の検知、内部統制の強化などに活用できるという。
さらに、初回のフルバックアップ以降は変更されたデータブロックのみを保存する、インクリメンタルバックアップに対応。毎回フルバックアップを取得する従来の方式と比べて、バックアップ時間とストレージ使用量を大幅に削減できるようになった。PowerGresの管理ツール「PowerGres Administration Tool」でもインクリメンタルバックアップに対応済のため、GUIから簡単に設定・実行できるとのことだ。
加えて、スタンバイサーバー経由での物理レプリケーションが可能となり、プライマリサーバーの負荷を軽減しながら処理を効率化できるほか、初期データ同期の並列化により、大規模テーブルのレプリケーション開始時間を短縮できるようになった。
価格(税込)は、製品本体が、PowerGres on Windows V17、PowerGres on Linux V17ともに5万9400円。購入には初年度のサポート契約(年額9万6800円)が必須となる。また、オプションのODBCサポートが年額2万2000円、Npgsqlサポートが年額2万2000円、PostGISサポートが11万円。