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NTT、世界で運用するデータセンターのサーバールーム面積を2割拡大

 日本電信電話株式会社(以下、NTT)は1日、法人顧客およびハイパースケーラー向けのサービスを拡販するため、世界におけるデータセンターのサーバールーム面積を約2割拡大すると発表した。

 NTTでは現在、北米、EMEA(欧州、中東、アフリカ地域)、アジア、インドでデータセンターを運用している。バージニア、ロンドン、シンガポール、東京など主要な市場におけるデータセンター間を、ネットワークにて相互接続するとともに、各地域におけるデータセンターサービスの収容能力を拡大している。

 北米地域では、2020年から2021年にかけ、米国バージニア州アッシュバーンにおけるデータセンター拡張に加え、オレゴン州のヒルズボロ、カリフォルニア州のサンタクララ、イリノイ州のシカゴに3つのデータセンターを新設した。

 ヒルズボロのデータセンターは、最終的には5つのデータセンターで構成され、IT機器向け総電力提供可能容量(IT電力容量)126MWを供給する予定。NTTの日米間海底ケーブル「PC-1」を活用することで、ヒルズボロと東京間の太平洋横断のネットワークを提供する。

 また、アリゾナ州フェニックスにおいても、2022年初頭にデータセンターを新設する予定で、完成時にはIT電力容量36MWを供給するデータセンターを7棟建設、合計でIT電力容量240メガワットを供給する予定。

 EMEA地域では、オランダのアムステルダムやドイツのフランクフルトでデータセンターを運営しており、ドイツにおける市場シェアは1位になっているという。英国では、新たにロンドン1データセンターを2020年12月に開設し、収容能力を現在の2倍以上に向上させるとともに、ロンドンエリアにある全てのNTTのデータセンターをつなぐ光ファイバーなどの敷設にも投資を行っているという。

 NTTでは、今後2年でEMEAの6カ国、9つの市場に新たに13のデータセンターを建設し、5万㎡のサーバールーム面積、IT電力容量115MWを追加することで、EMEAにおけるIT電力容量を40%以上拡大する予定。さらに、ウィーンやチューリッヒ、ロンドン、ドイツ各地での増床に加え、スペインのマドリードや南アフリカのヨハネスブルクにも相互接続可能なデータセンターを構築する予定としている。

 インドを除くアジア地域では、インドネシア・ジャカルタの中心地から約30km離れたブカシに、IT電力容量15MWを供給するジャカルタ 3データセンターを2021年内に新設する。また、マレーシアのサイバージャヤ 5データセンターは、IT電力容量6.8MWを供給し、今後、同キャンパス内にさらに同規模の拡大を予定する。

 日本では、2020年9月にIT電力容量21MWを供給する東京第11データセンターを建設した。今後も、バンコク、大阪、ベトナム南部へのデータセンター拡張も検討中としている。

「東京第11データセンター」の外観イメージ

 インドでは、インド初の大容量データセンター拠点となるムンバイ・チャンディバリキャンパスにおいて、ムンバイ 8データセンターの営業開始により、IT電力容量85MWを供給する予定。また、2022年1月以降順次、ナビムンバイに2つのデータセンターのほか、チェンナイ、デリー(ノイダ)において、合計で5万㎡のサーバールーム面積、IT電力容量133MW大規模データセンターを建設予定としている。

 データセンター間を相互接続するネットワークについても、NTTは現在、シンガポール、マレーシア、インド(ムンバイ、チェンナイ)を接続する大容量海底ケーブル「MIST」の建設を進めている。MISTケーブルシステムの全長は1万1000kmで、2023年中頃の竣工を目指している。

 また、1つの物理ポートから複数の仮想ネットワーク経由で、セキュアにクラウドサービス事業者などに接続できる「Global Data Center Interconnect(GDCI)」により、グローバル市場におけるネットワーク相互接続基盤を提供する。