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NTTデータとNTT Comが協業、三鷹データセンターを軸にソリューション連携を強化
NTTデータのDCからEnterprise Cloudを提供へ
2017年8月29日 13:26
株式会社NTTデータとNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は29日、2018年4月に提供開始予定の「NTTDATA三鷹データセンターEAST」(以下、三鷹データセンターEAST)を拠点とした、両社のソリューション連携を強化すると発表した。NTT Com 取締役 クラウドサービス部長の森林正彰氏は、「協業は自然な形であり、グループ内で協業してビジネスをやっていくのは当然のこと。国内から始めて、グローバルにつながるのではないかという思惑が一致した」とする。
三鷹データセンターEASTからEnterprise Cloudを提供
三鷹データセンターEASTは、最大収容ラック数5600、最大受電容量4万kVAを持つ、国内最大級のデータセンター。東京都三鷹市にNTTデータが建設し、2018年4月の提供開始が予定されている。
今回の協業では、NTT Comの企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」を、三鷹データセンターEASTにおいて提供する。同サービスでは、OpenStackベースの共有型クラウドに加えて専有型クラウドをラインアップしており、迅速なアプリケーションの立ち上げから、基幹システムなどのミッションクリティカルな利用まで、幅広い用途に対応できるという。なお、Enterprise Cloudは現在、世界の11カ国14拠点で展開されているが、NTT Comの拠点以外で提供されるのは、今回の三鷹データセンターEASTが初めてとのこと。
また、三鷹データセンターEASTでは、NTT Comのネットワークインフラ基盤に直結されているため、クラウド間接続サービス「SD-Exchange」やグローバルVPNネットワークサービス「Arcstar Universal One」、インターネットサービスなど、同社が提供するさまざまなネットワークサービスを利用できる。
NTT Comの森林氏は、こうしたインフラ部分のサービスについて「当社のEnterprise Cloudとコロケーションとの併用によるハイブリッドクラウド環境にも対応し、同じデータセンター内で構内接続が可能。さらに、SD-Exchangeでほかのデータセンター、他社のクラウドとも接続できるほか、これらを一元管理する仕組みを提供できる」と、その強みを説明した。
さらに、「今回の協業では、(インフラ部分だけでなく)お客さまに最適なアプリケーション、例えばERP、AI、IoTなどを一緒に提供して、SIやマネージドサービスを被せ、トータルで提供する点が最大の強みだ」(森林氏)という点を強調する。
NTTデータ 取締役常務執行役員の山口重樹氏も、「NTTデータではトータルなSIサービスをずっとやってきた。ミッションクリティカルではどういうことが求められるのか、というノウハウを当社は持っており、それを凝縮して作ったのが三鷹データセンターEAST。また当社では、さらにアプリケーションからSIまで一気通貫で対応できる点も強みで、両社の協業により、ミッションクリティカルからデジタルビジネスまで、基盤、アプリケーションを含めた一気通貫のフルスタックサービスを、国内だけでなくグローバルまで提供できる」と述べ、両社の連携で提供可能になる価値をアピールした。
両社では、クラウドサービスやデータセンターサービス、関連するネットワークサービスやSIなどを含めて、2018年から2020年までの3年間で、事業規模1000億円を目指す考えだ。
また今後は、さらなる協業の拡大も検討している。NTT Comの森林氏は「Enterprise Cloudは11カ国14拠点で提供され、データセンターは140拠点を開設。海外のデータセンターが日本のそれを上回るスペースを持っており、当社では、ネットワークを含めてトータルなサービスをグローバルに提供することが可能だ。一方のNTTデータも、グローバルでビジネスを提供できる体制を持っているので、その人材を生かし、インフラとあわせてグローバルのサービスを提供していく。ほかのデータセンター、国でも、NTTデータのサービスをバンドルしていくのはやっていきたい」とする。
一方のNTTデータ 山口氏も「NTT Comのクラウドは、柔軟で迅速にサービス提供できる特徴があり、ネットワークも強力。当社の事業もグローバルにどんどん広がっているため、基盤でNTT Comと連携すればさらに拡大できるのではないか」との期待を示している。