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NTT Com、関西最大級の「大阪第7データセンター」を提供開始
2019年12月6日 12:09
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は12月1日、同社の新たなデータセンターとなる「大阪第7データセンター」の提供を開始した。
大阪第7データセンターは、大阪市内から公共交通機関で30分以内、京都・神戸市内からも約1時間でアクセス可能な、水害や地震などの災害リスクが低い茨木市内に立地。関西最大級のサーバールーム面積約3800㎡、1700ラック相当を有し、完成時には約9500㎡、4200ラック相当のスペースを提供する。
NTT Comのデータセンターブランド「Nexcenter」が定めるグローバルで統一化された厳格な設備・運用基準に準拠。電力・空調・通信設備の冗長化やセキュリティに加えて、NTT Comのネットワークインフラ基盤に直結することで、大容量かつ高品質・高信頼なネットワークサービスを低コストでタイムリーに利用できる。
大阪の中心部と直結できるネットワーク、高い耐災害性
大阪第7データセンターは、大阪におけるNTT Comのデータセンター間をつなげる大容量・高速ネットワークリング「Nexcenter Connect Metro」により、ISPやデータセンター事業者のネットワークの相互接続点であるIXがある大阪市内の堂島エリアにダイレクトに接続できる。これにより、大阪市内にあるNTT Comのデータセンターとあたかも1つのデータセンターのように利用できる。
また、各種クラウドサービスなどにセキュアに接続できる次世代インターコネクトサービス「Flexible InterConnect」を活用でき、大阪第7データセンターと顧客拠点やクラウドサービス、IX、ISP事業者などをセキュアに接続し、柔軟なデータ流通を実現できる。
耐災害性の面では、大阪第7データセンターでは免震装置として球面すべり支承を用いた建物免震構造を採用することにより、阪神淡路大震災、東日本大震災クラスの巨大地震でも、建物や顧客機器への衝撃を抑えた安全な運用継続が可能。また、建物は大雨や近隣河川の氾濫時でも浸水が極めて少ないエリアに立地しているため、水害のリスクが低く、電力は近隣の変電所から直接2ルートで引き込むことで、災害時でも安定した供給を確保している。
クラウドベンダーの旺盛な需要に応える、柔軟な設備対応
11月27日に行われた大阪第7データセンターの説明会では、NTT Comエバンジェリストの林雅之氏がデータセンターの市場環境について説明。現在も国内のデータセンター市場は堅調な成長となっており、企業顧客からの堅調な需要が続くとともに、大手クラウドサービス事業者からの需要が特に旺盛になっているとした。
こうした市場の状況に対して、データセンター事業者側の対応としては、クラウド向け需要に対応した新しい設計モデル、高発熱・高密度サーバーへの対応などデータセンターインフラ技術革新への対応、AIや大規模ストレージなど新たなITサービス/ソリューション基盤への対応が求められているとして、大阪第7データセンターにもこうした設備対応を行っているとした。
大阪第7データセンターは、建物やフロア単位で柔軟にカスタマイズできる、キャンパス型のモジュール設計のデータセンター建物となっている。同様の設計の建物を建てていくことで、サービス提供の工期短縮やコスト低減を実現。クラウドサービス事業者などの旺盛な需要に応える。開所時点では1棟目と2棟目が完成しているが、2020年には同じ敷地内に3~5棟目も完成する予定となっている。
サーバールーム内の空調には、冷却効率が高い壁面吹き出し方式の空調設備を採用。1ラックあたりの供給電力は定格9kVA、実効6kVAで、GPUサーバーなど20kW以上の電力を消費する超高発熱サーバーの冷却にも対応し、サーバー機器を高密度にラック内に搭載できる。床耐荷重も2t/㎡と、高重量なサーバーに対応できる。
電力設備については二系統受電となっており、非常用発電装置には海外では一般的なディーゼル発電機を採用し、N+1冗長構成で48時間以上無給油運転が可能。UPSもN+1冗長構成となっている。
また、電源に関しての取り組みとしては、約20%の消費電力削減を実現するHVDC(高電圧直流給電)システムに対応するスペースも用意するなど、最新技術の導入を予定している。