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KDDI、“コロナ禍”の企業を支える新たなゼロトラストソリューションを発表
2020年7月20日 06:00
KDDI株式会社は17日、新型コロナウイルスの影響で変化しつつある新たな働き方を支えるビジネス基盤として、「ハイブリッド・ゼロトラストソリューション」を提供すると発表した。
KDDIは、これまでにもテレワークに対応できるさまざまなソリューションを提供してきたが、それは一部の社員が外勤時に一時利用することを想定したものだった。それが、緊急事態宣言後は全社員がこうしたサービスを利用するようになり、同社の提供する光回線ブロードバンドサービスのトラフィックが平日昼間に最大63%増となったほか、「2020年3~4月は、1~2月と比較してクラウドアプリケーションの申し込みが5倍、リモートアクセスの回線申し込みが4倍、ビデオ会議ソリューションの申し込みが8倍に増加した」(KDDI 執行役員 ソリューション事業本部 サービス企画開発本部長 藤井彰人氏)という。
「これまでの働き方はオフィス勤務が前提だったのが、ウィズコロナ、アフターコロナの時代は在宅勤務が前提となる。全員がリモートアクセスできる環境が求められるようになった今、これまでのように社内と社外で信頼できるかどうかを分ける境界型ではなく、すべてのアクセスを検証するゼロトラスト型が必要だ」と藤井氏は述べ、新たなソリューションの提供に至った背景を説明した。
ハイブリッド・ゼロトラストソリューションは、デバイス、ネットワーク、ID(認証、認可、監査)、セキュリティ、クラウドアプリ、オペレーションという6つのコンポーネントを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提供する。
「さまざまな環境にハイブリッドで対応できるゼロトラストソリューションを提供し、変化に強いビジネス基盤を構築する」と、KDDI 執行役員 ソリューション事業本部 サービス企画開発副本部長の丸田徹氏は語る。
KDDIでは、ゼロトラストソリューションを提供するにあたり、柔軟なネットワーク環境が実現できるよう企業を支援していく考えだ。柔軟なネットワーク環境とは、「企業ネットワークを経由するのではなく、直接サイバー空間にアクセスする方法だ」と丸田氏。この環境を実現するためのソリューションとしてKDDIでは、ソフトウェア定義型WANの「KDDI SD-Network Platform」と、クラウド型リモートアクセスソリューションの「Zscaler Private Access(ZPA)」を用意、これで「真のサイバー空間で仕事ができるようになる」(丸田氏)としている。
また、そこからさらに一歩進み、場所や時間、ツールに縛られず、完全にオープンな環境での働き方も提案していく予定だという。「サイバー空間の業務をデータ分析して物理環境に反映する。サイバーと物理環境を融合することで、物理環境の業務をさらに改善する」と丸田氏。こうした環境の実現に向け、auの5Gネットワークを用意しているほか、エッジコンピューティングサービスの提供も準備中だという。
このような環境では、運用負荷が増大するという課題もあるが、KDDIはパーソルワークスデザインと共同でITインフラ運用業務のアウトソーシングソリューションを提供することも発表しており、こうした課題にも対応できるとしている。
「コロナ禍で新たな働き方の課題が浮き彫りになり、どのようなソリューションを組み合わせると企業の課題が解決できるのかが明確になってきた。それぞれの課題にあわせ、パッケージとしてハイブリッド・ゼロトラストソリューションを提供していきたい」と丸田氏は述べている。