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スターライト工業が「Dynamics 365」を導入、日立ソリューションズのテンプレートで適切な原価管理の仕組みを構築

 株式会社日立ソリューションズは4日、高機能プラスチック製品の設計・開発・製造を手がけるスターライト工業株式会社が、クラウド型ERP「Microsoft Dynamics 365」と、日立ソリューションズの「グローバル製造業向け原価管理テンプレート for Microsoft Dynamics 365」(以下、原価管理テンプレート)を導入したと発表した。広島工場において2019年10月より稼働している。

 スターライト工業の広島工場は、自動車部品の設計・開発・製造を担う主要な生産拠点で、1974年からメインフレームを活用して基幹業務システムを運用してきたものの、メインフレームの保守期限と、専任のソフトウェア開発担当者が定年を迎える時期が、それぞれ迫っていたため、システムの切り替えが必要になっていたという。

 また従来の在庫管理作業では、基幹業務システムとExcelで分散して管理していたデータを、担当者が棚卸し業務の都度、あわせて在庫数を算出していたため、作業効率向上や理論在庫の精度向上が課題になっていたほか、原価管理についても、さらなる収益改善につなげるため、製品ごとの原価構造を把握したいといったニーズもあったとのこと。

 こうした背景においてスターライト工業は、ERPパッケージの採用を基本路線として製品選定を開始。グローバルで豊富な導入実績があり、システム運用管理コストを削減できるクラウドサービスを重点的に調査した結果、Dynamics 365を導入した。また、原価計算の精度向上を支援する「原価管理テンプレート」をあわせて導入している。

 これにより、仕入れ先への発注履歴と、協力会社に支給する部品の入出庫を同一のシステムで管理可能となったため、在庫の保管場所や在庫数の一元管理を実現。サプライチェーン全体の理論在庫の精度向上に貢献した。

 さらに、製品単位の原価構造が可視化されたため、実際原価と標準原価の差異の把握や、製品ごとの受注時原価の見通しと実際原価の比較が容易になり、収益性の分析や改善につながる、より適切な原価管理の仕組みを構築できたとのこと。

 このほか、サプライチェーンに関する情報の一元管理と、クラウドサービスの利用によるシステムの運用負荷低減も実現している。