ニュース

日立ソリューションズ、日系企業の商習慣に合わせた「グローバル製造業向け原価管理テンプレート for Microsoft Dynamics 365」

 株式会社日立ソリューションズは8日、「製造業向けトータルソリューション」強化の一環として、マイクロソフトのERPソリューション「Microsoft Dynamics 365 for Operations(旧称:Microsoft Dynamics AX)」上で動作する「グローバル製造業向け原価管理テンプレート for Microsoft Dynamics 365(以下、原価管理テンプレート)」を開発し、2017年4月1日から販売開始すると発表した。

 日系企業の海外拠点では、現地ベンダーが提供するERPを採用し、拠点ごとに異なるERPを導入するケースが多くある。このため、すべての拠点のシステムを統一するMicrosoft Dynamics 365などのグローバルERPを導入するニーズが高まっているが、日系企業の商習慣に合わせた機能のサポートが課題となっているという。

 原価管理テンプレートは、日系企業特有の原価計算における配賦や棚卸資産評価をサポートし、グローバルに展開している日系企業の原価精度向上を図ることで、企業の製造コストの最適化と利益計画に貢献する。

 原価管理の制度会計として、組立加工製造業を中心に利用されている標準原価計算と、化学品や食品といったプロセス製造業の一部で利用されている実際原価計算の2つの原価計算方式をサポート。日系企業特有の品目や部門への配賦や、原価法の総平均法や低価法といった棚卸資産評価、およびERP保有データに基づく標準単価算出機能などを標準でサポートする。これにより、企業では、原価管理テンプレートのパラメータを設定するだけで簡単に利用できる。

 Microsoft Dynamics 365 for Operationsの一般会計との仕訳連携や、補助部門費や共通部門費を、あらかじめ設定した基準で製造部門や直接製造品目へ配賦することが可能。Microsoft Dynamics 365 for Operationsの生産、調達、在庫などのモジュールとの連携により、受払情報、購入原材料情報、製造経費情報に基づいた原価計算を行うことができる。

 また、原価管理テンプレートは、Microsoft Azureなどのクラウド環境上に構築されたMicrosoft Dynamics 365 for Operationsとも連携できる。

 提供価格は個別見積もり。日立ソリューションズでは、既にMicrosoft Dynamics 365 for Operationsを海外拠点に導入している日系企業や、ワールドワイドでERPの導入を検討している顧客などに向け製品を提供。製造業トータルソリューション全体で、2018年度に300億円の売上を目指す。