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セゾン情報システムズ、データ連携ツール「DataSpider」の進化と方向性をアピール

 株式会社セゾン情報システムズは12日、同社のデータ連携ミドルウェア製品「DataSpider」に関する説明会を開催した。

 DataSpiderは、セゾン情報システムズが展開するデータマネジメントソリューション「HULFT」の中でインテグレーション機能を担う。同社 マーケティング部 部長の野間英徳氏は、「多くの企業がデータ活用の重要性を認識しているが、増大するデータ量の基盤整備に課題を抱えているほか、データ分析の人材も不足している。こうした企業を支援するため、データマネジメントソリューションを提供する」と、製品の方向性を語った。

セゾン情報システムズ マーケティング部 部長 野間英徳氏

 セゾン情報システムズ マーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャの細見征司氏は、DataSpiderの特長について、「GUIを用い、ノンプログラミングで連携処理が開発できる。また、トリガー機能により連携処理の自動化が可能なほか、ログ管理などの運用ツールによって設計から運用までカバーできることも特徴だ。連携先も50種類以上と、幅広く対応している」と説明する。

 プログラミングスキルが不要である点について細見氏は、「ドラッグ&ドロップで直感的な操作が可能だ。例えば、固定長の受注ファイルを受け取って製品マスター照合し、SQL Serverへ格納、すべてのデータ処理後に完了報告メールを送信するといった処理をJavaで開発すると1万4000ステップのコーディングが必要だが、DataSpiderで開発すると13個のアイコンを設定するだけで完了する」としている。

DataSpiderの特長
DataSpiderには50種類以上のアダプターが用意されている
セゾン情報システムズ マーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 細見征司氏

 2020年に入り、すでにさまざまなDataSpider関連製品が発表されている。1月には、機械学習自動化プラットフォーム「DataRobot」への接続機能となる「DataSpider Adapter for DataRobot」をリリース。これは、DataRobotの予測パイプラインへのデータ投入と予測結果の取得をノンコーディングで実現するものだ。このアダプターにより、「モデルの再作成プロセスが簡素化され、AIの民主化を加速する」と、セゾン情報システムズ 執行役員 テクノベーションセンター センター長の有馬三郎氏は話す。

セゾン情報システムズ 執行役員 テクノベーションセンター センター長 有馬三郎氏
DataSpider Adapter for DataRobot

 また、4月にはオンプレミス向けに「DataSpider Servista 4.2 Service Pack 5」を提供開始している。Service Pack 5では、新規接続先としてOracle Cloud Platformへの接続に対応したほか、既存接続先のDataRobot Cloudへの接続機能を強化した。

 同じく4月には、クラウド版のDataSpider最新版「DataSpider Cloud 1.4」をリリースしている。1.4では、オンプレミスシステムとの連携機能を強化し、パフォーマンスを改善。また、AIで手書き文字を読み取るコージェントラボのクラウドサービス「Tegaki」への接続にも新たに対応した。

DataSpider Servista 4.2 Service Pack 5
DataSpider Cloud 1.4

 有馬氏は、データ連携アダプターの開発について、「SaaSの利用が増加し、幅広い接続先への対応が求められている。また、非IT部門のユーザーによるツールの利用が増えていることから、非ITユーザーでも日本語で安全に使え、直感的に操作できるUIが求められるようになった」として、「IT部門と非IT部門の接続先ニーズに対応し、中でも非IT部門ユーザーが簡単に使えることを目指している」と話す。

 その中で、同社の強みを生かしつつ「さまざまな接続ニーズに対し、汎用アダプタと専用アダプタを使い分けながら展開する。これでIT部門と非IT部門の業務の壁を解消する」(有馬氏)としている。