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NECフィールディング、顧客サービス管理システムのクラウド接続にデータ連携ソフト「DataSpider Servista」を導入

 株式会社セゾンテクノロジーは5日、NECフィールディング株式会社の顧客サービス管理システムのクラウド接続に、セゾンテクノロジーのデータ連携ソフトウェア「DataSpider Servista」が導入されたと発表した。

 オンプレミスのクライアントサーバー型で運用されていた、保守受付・保守作業管理など複数システムのデータベースと、顧客サービス管理システムの移行先であるSalesforce間とのデータ連携を24時間365日無停止で支えることで、新たな顧客サービス管理システムへの円滑な移行を実現。また、今後のNECフィールディングのビジネス拡大に伴う機能拡張と、データ分析基盤の構築にもDataSpider Servistaの活用を予定しているという。

 NECフィールディングは、NECグループの一員として、ICTシステムのライフサイクルである企画・設計から導入・構築、運用・監視、保守に至るすべての領域でサービスを提供している。近年では、医療機器や太陽光システムなど非ICT機器の保守まで拡大し、顧客のビジネスをサポートしている。

 また、全国にある拠点網や物流網を生かしてハードウェアを起点としたSI事業や、運用・監視、セキュリティなどのシステムサポート、NEC以外のメーカー機器やICT関連以外の機器保守も受託して実施し、エンジニアが現場に駆け付けるオンサイトサポートを24時間365日対応で展開している。

 そうした中で、顧客と相対するコンタクトセンターのシステムや、保守受付・保守作業管理のシステムは、業務に合わせて自社で開発した複数のオンプレミスシステムを組み合わせていた。稼働から30年近く経過していたことで、これまでの機能追加によるシステムの複雑化と、ビジネスの変化に対応するための機能改修への迅速な対応や新規技術の積極的活用、またデータのガバナンスの観点でも問題があり、新システムへの移行を決定したという。

 NECフィールディングでは、既存の顧客サービス管理システムが抱えていた課題を解決すべく、全国数カ所のコンタクトセンターや300拠点以上のフィールドサービスを支える新顧客サービス管理システム、「CS-Force」への移行検討を2018年から開始した。2020年のデータ連携基盤の構築開始から数回の段階的なリリースを経て、2024年12月に新システムへの移行が完了した。

 既存システムで互いに連携する複数システムのうち、保守業務の中核となる保守受付システムと保守作業システムの移行に際しては、移行先となるSalesforceと既存システムとのデータ連携に、部品情報、在庫情報、作業情報の連携など100以上のインターフェイスが必要となった。Salesforceのガバナ制限に対する解決策や、短期間での移行を目指す中でデータ連携機能の自社開発は現実的ではないと判断し、国内でのデータ連携実績やAPI接続機能を有する条件のもとツールの選定を開始して、さまざまな要件の中から複数のツールを検討した結果、DataSpider Servistaを導入するに至ったという。

 NECフィールディングはDataSpider Servistaを導入した理由として、24時間365日で稼働する大規模システムで100以上のデータ連携を安定的に接続可能な点や、Salesforce APIに対応した開発の効率化とGUIだけで開発可能な分かりやすいUIであること、国内の豊富な導入実績や「Salesforce」のガバナ制限への対応、必要機能とコストとの最適バランスを挙げている。

NECフィールディング「CS-Force(顧客サービス管理システム)」の構成図

 DataSpider Servista導入の効果としては、新顧客サービス管理システム「CS-Force」に移行したことで、オンプレミスからの脱却が進み、ビジネス拡大に伴う新しい機能追加も容易となったと説明。また、DataSpider Servistaでは、GUIでの開発により実装時のレビューやコーディングのミスが減り、動作の把握も直感的に理解できることで、障害時の切り分けもスムーズとなったという。

 今後は、Salesforceに蓄積されたデータを活用し、コールセンターの問い合わせ内容を要約する生成AIを活用したプロジェクトも計画しており、これらデータ分析用基盤を構築する中でも、DataSpider Servistaのさらなる利用が期待されるとしている。