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ネットワールド、ハンズオントレーニング環境をNutanixのHCIで再構築

 株式会社ネットワールドは31日、複合システム検証センター「GARAGE(ガレージ)」内のハンズオントレーニング環境の再構築にあたり、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)「Nutanix」を導入し、本格稼働を開始したと発表した。

 GARAGEは、HCIをはじめとする最新機器を取りそろえ、システム構築に必要な論理検証を行うほか、リセラーやユーザー企業を対象としたハンズオントレーニング環境にも利用されている。

 そのストレージ環境は、ローカルディスクにPCIe接続のフラッシュドライブを、演習環境用テンプレートの保存にハイブリッドストレージを使用していたが、テンプレート保存用のストレージと実際の演習に用いるストレージが異なるため、最初の1台目はフルクローンを行う必要があり、演習用仮想マシンの展開に多くの時間と手間がかかっていたという。

 ネットワールドでは、現在、10種類ほどのハンズオントレーニングのプログラムを用意しており、それぞれのトレーニング前には、仮想マシンの展開だけで約3時間を要する上、起動確認やログイン確認なども必要になることから、準備の負担が大きかったとのこと。

 また、1回のトレーニングは最大16名が受講可能で、1人の受講者が最大12台の仮想マシンを稼働させるため、ピーク時には16名×12台=172台もの仮想マシンが稼働するが、演習内容によっては16人が同時にVDIを展開することから、性能面でも容量面でもかなり厳しい要求が課せられる。

 一方、ストレージの容量面でも、従来利用していたものは圧縮機能しか備えていないために、複数世代にわたって管理していたテンプレートや演習環境について、必要な容量が確保できなくなりつつあった。

 そこでネットワールドでは、サーバーとストレージの保守切れのタイミングを機に、従来は別々だったテンプレート保存ストレージと演習に用いるストレージを、Nutanixによる単一データストアに変更した。

 これによって、新しいハンズオントレーニング環境ではフルクローン作業が不要になり、差分クローンでの展開が可能になったことで、準備時間を従来の1/3~1/6に短縮できたという。性能面でも十分なパフォーマンスが確保されており、演習環境が遅いといったクレームは一件もないとのこと。

 さらに、大きな課題だった容量不足についても、コストを抑えながらインライン圧縮や重複排除の機能を利用できるので、データ容量が従来の約1/3に削減され、今後のコース拡大などにも十分対応できるようになった。ラックスペースも、サーバーだけを見ると以前の6Uから2Uへ、ストレージも合わせると20Uから2Uへと大幅に削減されている。

 なお、差分クローン処理を高速化できる「Shadow Clones」機能なども活用されているほか、機器の状態がクラウドから監視されているため、障害の未然防止も可能。さらに、新機種へのマイグレーションも容易で、将来にわたって安定的なサービス環境を提供できる点もメリットとして挙げられている。