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伊藤忠がUiPath採用、導入後の約1年で69業務・83ロボットが稼働中

 UiPath株式会社は26日、伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠)が、RPAソフトウェア「UiPath」を導入したと発表した。伊藤忠では、導入から約1年で69業務を自動化し、83のロボットが稼働しているという。

 伊藤忠では、2017年春ごろから、社員の生産性の向上や高付加価値業務へのシフトを目的としてRPAの検討を開始したが、同社が採用しているディビジョンカンパニー制度により、7つのカンパニーごとに営業業務も使用するシステムも異なるため、時間をかけたPoCを行い、段階的に利用を拡大していく方式が適していると判断。スモールスタートでのRPA導入を決定した。

 そして、その方針のもとで複数製品を比較検討した結果、2017年10月、初期投資費用を少なく抑えられ、一定の成果も見込めることからUiPathの導入を決めたという。同社は導入決定後、いくつかのロボットを試作し稼働させながら人材育成にも取り組み、ロボット開発者7名を育成している。

 また次のステップとして、2018年4月に、RPAの全社展開のためのCOE(Center of Excellence)を同社IT企画部内に立ち上げた。COEでは、各部署の小さな業務を自動化させて実績を積み重ね(導入期)、その次に社内全体へ広め(拡大期)、最後に経営層に活用を促す(成熟期)というRPAの成長モデルを作成。最初の1年を導入期として定め、2019年1月現在、カンパニー特有のものから共通化されたものまで、69業務で83のロボットが稼働している。

 例えば、Webサイトから1商品ごとの市況情報を取得して処理する作業では、自動化で年間148時間に相当する作業を削減。また、外出先から送受信するデータを基に出荷帳票を作成・印刷する作業では、年間140時間に相当する作業を削減できたとした。

 伊藤忠では、現在、年間100ロボットの稼働を目標として、RPA活用のさらなる推進に取り組んでいるとのことだ。なお、今後の拡大期においては、組織の壁を越えた共通業務の自動化や、BIシステムとの連携を視野に入れているほか、OCRと連携した自動化も検討している。