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信州大学医学部附属病院、RPAツール「UiPath」で保健所への情報送信作業を自動化

 UiPath株式会社は7日、信州大学医学部附属病院が、RPAプラットフォーム「UiPath」を採用したと発表した。同病院では、厚生労働省が2020年5月から稼働開始した「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(以下、HER-SYS)」にかかわる業務に「UiPath」を適用し、自動化を実現したという。

 HER-SYSは、新型コロナウイルスの感染者情報の迅速な把握を目的として、2020年5月からが導入されたシステムで、現在は全国で1万を超える医療機関等の利用者で利用されている。

 この導入により、従来は各医療機関から保健所にFAX等で情報連携していた新型コロナウイルス感染者の発生届を、システムからデータ送信可能になっているが、一方で、電子カルテの近くにインターネット端末がないことや、入力作業を行う人員の不足などを理由に、現在もFAXにより発生届を提出する医療機関が存在しているという。また、発生届がFAXで提出された場合、システムへの入力は保健所が代行するため、保健所の負担も増えているケースがあったとのこと。

 そこで今回、信州大学医学部附属病院では、電子カルテの情報収集作業、HER-SYSへの入力作業、および入力結果をPDFにして関係者にメールで送付する作業を「UiPath」で自動化した。入力作業は、感染者の数にかかわらず検査した患者の数だけ必要となるため、月次で数百件にものぼり、日次では入力者が2けたに達することもあったというが、今回の自動化により、手作業の場合は1件あたり3分以上かかっていた一連の処理をワンクリックで対応ができるようになった。

 また同病院では、HER-SYSだけでなく、「新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム(以下、G-MIS)」に関する入力業務も「UiPath」による自動化し、省力化を実現しているとのこと。

 UiPath社は今後、同様にHER-SYSやG-MISを利用する全国の医療機関向けに、「UiPath」を用いた医療従事者への業務負荷軽減事例公開や、ソリューション開発の支援などを行っていく考えだ。