NTT東日本、AI insideと提携し、手書き帳票データ化サービス「AIよみと～る」を提供

　東日本電信電話株式会社（以下、NTT東日本）とAI inside株式会社は23日、紙帳票のデジタル化により、事務作業時間を低減し、企業や自治体の生産性向上を推進することを目的に業務提携を行ったと発表した。

　提携により、NTT東日本ではAI inside が独自開発をしたAIの活用により、手書き文字を含めて96％以上の高い認識率を実現したOCRサービス「AIよみと～る」の提供を開始した。また、日本語に対応し、2500社以上の導入実績があるRPAソフトウェア「WinActor」にサポートを付与した「おまかせRPA」も提供する。

　紙を使用した業務の効率的化という昨今の企業の課題に対して、AI insideでは独自開発したAI 「Neural X」を活用したサービスを提供してきたが、さらなる導入拡大に向けて、RPAやサポートをセットで提供することを検討していた。

　一方、NTT東日本は、社内の業務効率化を通じて蓄積した「WinActor」のノウハウに、法人向けサービスの提供で培ったサポート力を組み合わせ、サービス化することを検討していた。また、顧客からのニーズが高い紙帳票などのデータ化からシステム投入までの効率化を実現するために、精度の高いAI-OCRサービスのパートナー企業を探していた。

　こうした背景から、両社の得意分野を組み合わせることで「紙を使用した業務の効率化」という、どの企業にも存在する経営課題の解決に貢献できると考え、業務提携に至ったと説明。今後も両社では、自治体業務のデジタル化を推進する新たなサービスの展開などを検討していくとしている。

　提携により提供するOCRサービス「AIよみと～る」は、高度な学習アルゴリズムを使用したディープラーニングに加え、歪み・傾きの補正機能により読み取り箇所を的確に検出することで、高い文字認識率を実現。また、人間工学に基づきデザインされた直感的に分かりやすいブラウザベースの利用者画面により、読み取り結果の確認や文字を人手で修正する作業も効率的に行える。

「AIよみと～る」のサービス利用イメージ

　同じく提供を開始する「おまかせRPA」は、2500社を超える導入実績がある「WinActor」に、エンジニアが訪問して行うソフトウェア初期設定サポート、利用開始後のトラブルシューティングや操作説明を電話や遠隔ツールを使用して行うアフターサポートを合わせて提供する。

「おまかせRPA」のサービス利用イメージ

　NTT東日本では、「AIよみと～る」「おまかせRPA」を組み合わせて利用することで、紙のデータ化からシステム投入まで一連の業務を効率的に実施できると説明。また、それぞれのサービスを個別に利用することも可能としている。

　AIよみと～るの提供料金（税別）は、基本額（月間6万項目まで）が1管理者IDにつき月額10万円。6万項目を超える場合の加算額は、ブランク／チェックボックスが1項目につき0.5円、それ以外（文字、数字など）が1項目につき1円。おまかせRPAの提供料金（税別）は、基本メニュー（フル機能版ライセンス、シナリオ保存用ストレージ10GB、遠隔サポート）が月額7万5000万円。また、両サービスについて、2カ月トライアルメニューも提供する。