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NTT Com、自然言語解析を利用できる「COTOHA API」に3つの新サービスを追加

「言い淀み除去」「音声認識誤り検知」「感情分析」を利用可能に

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は15日、自然言語解析を手軽に利用できるAPIサービス「Communication Engine “COTOHA API”」(以下、COTOHA API)において、新たに「言い淀み除去」「音声認識誤り検知」「感情分析」の3つのAPIを提供すると発表した。あわせて、従来はベータ版だった「照応解析」APIの正式版提供を開始する。

 COTOHA APIは、NTTグループが長年にわたって培ってきた自然言語解析技術の研究成果を、手軽に利用できるよう提供しているAPIサービス。

 新ラインアップのうち「言い淀み除去」は、音声認識処理後のテキストデータの中から、「ええと」や「あのう」といった言いよどみを特定し、除去するもので、既存の音声認識エンジンやアプリケーションにアドオンして活用することにより、音声認識結果の精度向上を実現するという。今回はベータ版としての提供となる。

 2つ目の「音声認識誤り検知」は、音声認識処理後のテキストデータの中から、認識ミスの恐れがある単語を検知・抽出する機能。「認識した文章全体における誤り度合い」と「言い間違いや音声認識間違いの可能性が高い単語」をスコア化して表示してくれる。

 これを利用することで、音声認識結果の信頼度判定を行ったり、AIが人に対して聞き返しを行う際に、不明点のみを尋ねたりすることが可能になる。また、また、今後提供予定の「音声認識誤り訂正」APIと組み合わせると、誤りを自動で訂正して、認識精度を向上させることも可能とした。なお「音声認識誤り検知」も、今回はベータ版としての提供になる。

 3つ目の感情分析は、文章が表現している感情を「ポジティブ」あるいは「ネガティブ」のいずれかで判定する機能。否定語を認識しながら、文章全体の意味を踏まえて分析するため、単語単位の判定と比べ高精度で感情を判定できるとした。さらに、文章に含まれる「喜ぶ」「驚く」「不安」「安心」など、15種類の感情を分類・認識することも可能という。こちらは正式版として提供される。

 また、今回より正式版となる照応解析は、「あれ」「彼/彼女」「同〇〇」「その〇〇」など、さまざまな指示語を検知し、それらが指し示す対象を特定する機能。構文解析と組み合わせて利用することで、解析精度を向上させることが可能としている。

 なお正式版では、指示語が複数形(彼ら)の場合や、指示語のさす対象が複数の単語から構成される(例:任期満了による知事選)場合など、さまざまな照応関係について認識できるようになった。

 COTOHA APIの利用にあたっては、2つのメニューで提供される。そのうち検証用の「for Developers」メニューは、無償で利用可能。一方、商用環境向けの「for Enterprise」メニューでは、基本料金13万円(税別)と、APIコール数に応じた従量課金がかかる。